【独学なら語学の王道をいけ!】社会人のための正しい英語力向上法

nazeryugakusei

英語を使う仕事に転職したいと思って、独学で英語の勉強をしてるんだけど、いまいち伸びてる気がしないのよね。特にリスニングなんて、このままの勉強で本当に聞き取れるようになるのかな?

来年までにどうしてもTOEICで600点以上取りたい!でも、社会人になってから、英語を勉強するの久しぶりだし、何すればいいんだろう?とりあえずTOEICの問題集でも買ってきてみるか。

あの人、英語がぺらぺらでカッコいいなぁ。私も英語ができるようになりたいなぁ。とりあえずオンライン英会話にでも登録しようかしら。

残念ながら上の3人は、英語上達のための大事な一歩目を踏み忘れています。

このように独学で英語を勉強している人の多くは、日々これでいいのかと悩んでいると思います。

TOEICなら、公式問題集や本番形式の問題集を買ってきて、それらをどんどんこなしているというパターンが一番スタンダードかなと思います。

また、オンライン英会話などで英会話の勉強している人も、授業で何となく会話して、講師に間違いを訂正してもらってそれで終わりという感じではないでしょうか。

これも体系的に何かを教わっていないという点で、広い意味では独学に近いかと思います。

残念ですが、上記のような、基礎をおろそかにして実践形式でどんどん勉強しても、必ずどこかで伸び悩みます…!

今回は「なぜ留学生の99%は英語ができないのか?」という本のレビュー+英語力向上において、絶対はずせないことについて書こうと思います。

タイトルからしてキャッチーですが、本の内容もリスニングはやめろ、単語の暗記はやめろ、文法の勉強はやめろ、といったかなり挑戦的なものになっています。

ハッと思った方は、ぜひ学習プランを見直す機会にしてください!

本の中で著者が主張していることで、それはちょっと言い過ぎだろう、とか首を傾げてしまう内容もありますが、大人や社会人が英語をやり直す際に大事なポイントもいくつかがありましたので紹介します。

なぜ留学生の99%は英語ができないのか?

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語学を身につけようと思って語学留学する人は多いです。

語学留学は、英語(語学)ができない人が、できるようになるために行くものですが、じゃあ成果はどうかという部分で、この本が書かれています。

こんなストーリーになっています。

  1. STEP

    著者は留学経験ゼロ、海外生活経験ゼロですでに英検1級、TOEIC満点だった

  2. STEP

    マレーシア、タイ、シンガポール、フィリピン、香港など、約10年間の海外赴任を経験

  3. STEP

    外資系人材紹介会社に転職

  4. STEP

    海外で就職を希望する日本人約5000人を面接

  5. STEP

    ???

約5000人との面接の結果、本の中では、「英語がちゃんとできると感じたのはたった3人だった。」というショッキングな経験が書かれています。

びっくりするのは、面接していたのは「アメリカの○○大学卒」「海外留学○年」といった経歴を持っている留学生で、その彼らの経歴と英語のレベルが全然リンクしなかったというのです。

留学してこの程度なのかと、残念な気持ちになったという。

私も以前海外に住んでいましたが、英語が伸びないと悩んでいた日本人は多かったです

英語圏に住んでいても、ただ生活しているだけでは英語力は上がらないのは私も経験的によく分かってます。

留学経験ゼロでも英語が流暢な人がいる一方で、留学してもほとんど英語をマスターできない人がいます

この2人の差は何でしょうか?

本の中で著者は、差の最大の要因は以下の2つだと言います。

  • リンキング(音のつながり)をマスターしているかどうか
  • 音を習得しているか

語学の王道は、音がすべての基本

赤ちゃんが言語を習得していく過程をすべて大人に当てはめることはできません。

しかし、ハッキリと大人にも共通していることがあります。

言語の習得は耳(聴覚)で音を学ぶことから始まる

人は生まれてから、大人たちに囲まれて、毎日耳からネイティブになる言語をシャワーのように浴びます。

言語に関係なく、みんな耳(聴覚)からスタートするのです。

  1. STEP

    耳から言葉をどんどん聴く

  2. STEP

    耳から学んだ音が、色や形、文字などの視覚情報に結びつく

  3. STEP

    言葉として口から出てくる

これが、赤ちゃんが言語を習得するステップであり、あなたが英語をマスターしようとする場合にも、同じこのステップを踏んでいくことになります。

耳からの音をまず学習の基本に据えるという考え方は、ロングセラーの名著英語耳でも同じです。

英語耳の基本的な考え方は、こちらに詳しく書いています。

音を学習の基本に置く考え方には、私も自分の経験からも非常に同感ですし、今までネットでもそういう声を多数見てきました。

「音から学ぶというのは語学の王道だ!」という確信を、私自身も改めて持ちました。

リンキング(音のつながり)をマスターする

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なぜ留学生の99%は英語ができないのか?という問いに対する最大の本書の答えが、リンキング(音のつながり)です。

たとえば、have himはハブヒムではなく、ハビム、get it はゲリッ、talk about itはトーカバーリッ、これが音のリンキングです。

同様の考え方は英語耳でもされています。

ただ、その説明や具体的な内容は、英語耳の方が圧倒的に詳しく、分かりやすく書いてあります。

一方で、本書ではリンキングの考え方をスピーキングにも展開しているところが面白いと思いました。

リンキング知らないと聞き取れないだけでなく、本書の言うように、リンキングを自在に操れないとスピーキングでも相手に通じにくいと言えます。

音がつながることは英語耳の記事でも書きましたが、ネイティブにとって、自然なことなのです。

仮に、talk about itをトークアバウトイットと発音すると、通じたとしても相手にかなりの聞き取りのストレスを与えることは間違いないです。

私の経験からも、リンキングが下手な人の話は、「は?何言ってるの?」というような表情をされます

では、どう学んだらよいか?ということですが、本書ではあまり触れられていません。

恐らく、詳しくは著者のリンキングマスター教材をどうぞ!というところでしょう。

check it outのチェケラなどを含めて、リンキングの例を網羅しようとすると日が暮れますし、正しい発音を身につけていれば、知識として知らなくても勝手にリンキングできますので、高額な教材は不要です。

英語耳の記事で書いたように、リンキングは正確な発音をマスターした延長線上にあるものなので、まずは英語耳で正確な発音をきちんと学ぶことが必要です。高額な教材は不要、英語耳で十分です。

頭の中に英語回路をつくる

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なぜ留学生の99%は英語ができないのか?の答え

なぜ留学生の99%は英語ができないのか?という問いの答えについて、本書では環境と語学の関係について、こう書いています。

  • 言語学において、環境の中で自然に言語を習得できるのは10歳前後が限界。
  • 大人の言語学習においては、環境だけに頼っても英語力は向上しない。
  • 大人が外国に行って英語に囲まれた生活をすれば英語ができるようになると考えるのは、大きな間違い。
  • 英語の聞き流しは意味なし。聞き流しの環境だけでは自然に英語は身につかない。

では、なぜ大人は環境だけで言語を習得できないのでしょうか?

  1. 大人はすでに日本語という回路を持っている
  2. 英語を聞いても脳の中では日本語回路が邪魔をする
  3. 赤ちゃんのようにまっさらな状態で英語を受け入れることはできない

英語耳でも同じような議論がされています。

英語耳によると、大人の場合、知らない音は知っている音(カタカナ)に置き換わって聞こえるということでした。

昔、タモリ倶楽部という番組で「空耳アワー」というコーナーがありましたが、あれです。(知らない人はスルーしてください。。)

このカタカナに置き換わる原理が、恐らく本書に書いてある日本語回路なのだと思います。

英語の音のうち、日本語の音と共通しているのはたった1割ですから、英語を聞いてもほとんどは日本語回路の邪魔に遭うのです。

まずリスニングをやめる!

本の中では、まずはリスニングをやめよう!と言っています。

音の違いが分からない人がいきなりリスニングしようとしても、日本語回路に邪魔されて聞き分けられない、上達しないということです。

語学の王道に則して、最初のうちは耳から英語を学ぶことが必要なのです。

極端な話、単語の意味は無視してでも、まずは英語を音として捉えて、音の違いを聞き取るということが大事です。

それぐらい音を学ぶというのは、英語学習の重要なファーストステップなのです。

本書の中では具体的に、「英語回路の基礎を作る5つの音」と表して、LとR、SとTH、VとB、FとH、AとUの音の聞き分けについて解説していますが、英語耳の解説に比べてかなり貧弱、雑なので、英語耳でこの辺はマスターする方がいいかと思います。

頭の中に英語回路をつくる手順
  1. 音を正しくマスターする
  2. あとは赤ちゃんと同じで、そこに意味や状況、映像を頭に足していく
  3. 英語回路(英語を英語でとらえる感覚)ができあがってくる

たとえばtiredという言葉に対してすぐに、疲れているというふうに文字の情報にしないで、疲れている、ぐったりしている状況を映像としてイメージする、こうした音に対してプラスアルファしていくことで、英語を英語でとらえる感覚、英語回路が養われていくのです。

こうしたリスニングの前に、準備体操としてやるべきことがあるのに、いきなりリスニングをしたり、環境任せに語学留学したりしても良い結果は得られないのです。

まとめ:王道を無視した学習は時間の無駄

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今回は「なぜ留学生の99%は英語ができないのか?」という本の感想を交えて、独学で英語を勉強している人に向けて、英語を勉強する上での基本的な考え方を書いてきました。

  • 大人であるあなたは、もはや環境任せに英語を勉強しても、効果は極めて薄いという事実を知りましょう!
  • その上で、「音から学ぶ」という言語を学ぶときの王道を行く必要があります。

英語学習はいろんな流行や、その時々で人気の参考書や教材が次々と出てきます。

しかし、王道はシンプルで、かつ時代に左右されませんし、それぞれの時代で正当性が証明されてきた実績がありますので、迷える独学者にもぴったりです。

シンプルすぎてインパクトに欠けるために、出版社、教材社は「1日20分だけで」「聞き流すだけで」というもっとキャッチーな切り口の教材に走りがちです。

私もまだ検証していませんが、そうした教材も切り口が斬新なだけで、実は「音を学ぶ」という王道はきちんと根底に流れているのかもしれません。

それぐらい王道というのは脈々と受け継がれて不変なのです。

今まで王道を知らずになんとなく勉強をしてきた人は、「なるほど」と思った方も多いのではないでしょうか。

勉強はなんでもそうだと思いますが、自分が心から納得できるやり方をしましょう。
「これはこういう意味があって、こういう効果が期待できて、この後のこういう勉強につながって、だからやった方がいい!」こうして納得して勉強すると変な迷いもないですし、「この勉強をしたら自分はこうなっている(こんなことができるようになっている)」という未来もイメージしやすいので、モチベーションが上がりますよ。

JIN

JIN

2021.1月~英語学習メディアGive up Perfect English! の2代目管理人 | 英検1級 | 英語と無縁の人生 ⇒ 英語キャリア(海外営業)に転身 | 20代後半 | 海外にも少し住んでいました | 実体験をもとに、英語学習のコツ・英語キャリアについて解説します | 英語学習相談も受付中

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