英語の発音が下手で、カタカナ英語丸出しだから、人前で話すのが恥ずかしい。。どうにかして上手くなりたいんだけど、おすすめの本があれば知りたいなぁ。というか、独学で勉強してどうにかなるもんなのかな?みんなどうやって勉強してるんだろう??
いきなりですが、英語の発音を勉強しようと考えているあなたは、英語がうまくなる上で、かなり正しい方向にいると思います。
語学の基本は音だと言われていて、初心者にとって発音を勉強するのは、リスニングもスピーキングにも効果がり、本当にコスパが良いです。
この辺の話は↓の記事に詳しく書いていますので、よかったらご覧ください。
ここでは、私がTOEICでまだ400点台だった超初心者レベル ⇒ ネイティブに褒められるレベルまでに発音を上達させた実際の方法を、ありのまま紹介します。
実は特別な方法でもなんでもなく、かなり王道的な本を使っただけです。
発音を勉強しようと思っているすべての初心者や、日本語訛りの発音が身についてしまった中級者以上の発音矯正にも参考になる内容だと思います。
もくじ
【体験談】本で勉強するだけで発音が上手くなるのか?
結論としては、YESです。
発音矯正のために、専門の英会話学校に通ったり特別なことは必要ではありません。
私は完全に独学で英語の発音をマスターしましたし、私が知る限り、多くの英語学習者は独学で発音を勉強していると思います。
SLA(第二言語習得)の専門家も、著者の中で発音は独学で十分だと言っています。
発音については、多くの人にとって、独学で十分でしょう。英語の音声を「できるだけ」正確にまねる。 ・・・発音がうまくなる条件の中で一番重要なのは、「発音の正確さに対する興味」です。つねに正しい発音をしようという気持ちが大切です。
英語はもっと科学的に学習しよう(白井恭弘 著)
私もこれには同感で「発音が上手になりたい」という気持ちが大事だと思います。
実際、これから紹介する本で「正確な音」を勉強すれば、いかにも英語っぽくてカッコいいので、自然と「自分もこんな発音になりたいなぁ~」と興味もわいてきます。
発音で大事なことは、まずは基本の音(発音記号)を学び、あとはどんどんいろんな単語を実際に発音してみることです。
基本の音については、これから紹介する本で勉強できますし、時間がない人、さくっと勉強したい人は↓の記事で勉強してください。
本当に必要な部分に絞って最低限必要な発音をまとめています。
初心者が発音を勉強するメリット
冒頭に書いたように、初心者ほど発音を勉強する意味は大きいです。
なぜなら、発音が悪いまま、英語力が上がっていくと、悪い発音がクセになって、矯正するのが難しくなってくるからです。
また、そもそも赤ちゃんや子どもが言葉ができるようになるステップを考えてみてください。
- 音が分かる
- 言っている意味が分かる
- しゃべる
というステップを踏みますよね。
英語の勉強において「音から入る」というのは、言語の習得上も理に適っているのです。
では、大人である私たちが英語の発音をしっかり身につけることはどんなメリットがあるのでしょうか?
単に「カッコいい」だけではない、重要なメリットがあり、初心者のうちから勉強する意味はとても大きいです。
リスニング
まずリスニングですが、発音ができるとリスニングができるようになります。
たとえば私がよく例に使う話ですが、”マップ” という音を聞いて、どういう意味だと思いますか?
地図ではありませんよ。
正解は、掃除に使うモップです。(イギリス英語の発音だと文字どおり「モップ」です。)
世界でノンネイティブを含めて圧倒的に使われているのが、アメリカ英語であり、アメリカ英語での ”地図” と ”モップ” は、かなり明確に発音が違います。
ちなみに、地図はカタカナで書くと「メップ」に近いです。
英語の発音が分かるようになると、この辺の聞き取りが非常にうまくなり、聞き間違えが少なくなるので、結果としてリスニングができるようになります。
リスニングと発音の関係については以下で解説しています。
スピーキング
英語の発音がうまくなると、「しゃべっているのに通じない!」と悩むことがなくなります。
私が海外にいた時の知り合いの日本人で、英語が苦手な人がいました。
彼女の発音はお世辞にも上手とは言えず、必死に単語で何かを伝えようとしても全然通じず、「は??」みたいな顔をよくされていました。
英語を勉強し始めたばかりの初心者は、センテンスを作るのがまだ苦手で、単語だけで何とか乗り切ることが多いと思います。
しかし、発音が悪いと、唯一発したその単語が通じないのです。
単語だけだと、センテンスではないので、相手も文脈から推測することもできないので、発音が重要になります。
極論と言うと、発音がきれいだと、単語だけでコミュニケーションできます。
実際、海外に出たばかりの頃は、私も単語だけで何度も会話してましたから。
「しゃべっても通じない」というのは結構ストレスですし、いつも「は?」と聞き返されるのは精神的にきついです。
発音が上手になれば、「通じないかも」という不安がなくなり、話すことに自信が生まれます。
【おすすめの本2選】具体的な勉強方法も教えます
私が発音の勉強で使ったのは、この2冊だけです。
- 英語耳 ~発音ができるとリスニングができる
- 単語耳 ~英単語八千を一生忘れない「完全な英語耳」
これから、具体的にこの2冊をどのように使ったのか書いていきますが、実質的に、英語の発音に必要なことのすべては前者の「英語耳」で学びました。
本当にこの1冊だけです。
その代わり、何度も何度もくり返しやりました。
初心者のあなたも、最低限「英語耳」を1冊をしっかりこなせば、英語っぽいカッコいい発音に確実になれます。
では、具体的にどんな勉強をしたのか、見ていきましょう。
英語耳 | 正しい発音を知る【発音記号をマスター】
英語耳は2004年初版後、3年間で35万部も売れた発音本と言えばコレ!というほど、超定番な本です。
その後改訂版も出て、今なお売れ続けています。
私がこの本を手に取ったのは、海外に出ようと決意し、TOEICの勉強を始めたばかりで、リスニングがまったくダメだった頃です。
当時はどうやったらリスニングができるようになるのか、まったく見当がつかず、とはいえ、TOEICの問題を解くだけじゃなくて何か、ちゃんとしたリスニングの勉強の必要性を感じていた時期でした。
ネットをさまよい、たどり着いたのが、当時から評判のよかった英語耳でした。
英語耳では、こんなことを学びます。
- なぜ聞き取れないのか?【 “聞き取れる” という仕組み】
- 正しい発音の習得【発音記号を全マスター】
- 音声変化の基本【check it outがなぜチェケラになるのか】
個人的には、「聞き取れる人はなんで聞き取れるのか?」という部分をしっかり理解できたのが非常に大きかったです。
一言で言うと、「発音をちゃんと分かっているから聞き取れる」ということなのですが、これが分かったことで、自分がリスニング力をアップさせるために、何が必要なのか?どんな勉強をすればいいのか?が一気にクリアになりました。
発音記号の読み方を教えてくれたのも、英語耳でした。
各発音記号の解説はイラスト入りでとても分かりやすく、付属のCDを何度も聞いて発音を真似しながら練習しました。
シンプルすぎて何のひねりもないですが、私がやったことはこれだけです。
- 英語耳で解説されているように、口や舌を動かして、CD音源のとおり同じ音になるように実際に発音してみる
- 同じ音が安定して出るようになるまで、何度もCDを聞きながら練習する
- 1日1時間~2時間、1ヶ月ぐらい毎日やる
英語耳では、歌を使った練習なども書いてありますが、これはやっていません。
私が英語耳で実際にやったのは、発音記号の練習だけです(具体的には第5章まで)。
英語耳に収録されている単語の数は、そんなに多くないので、自己採点で100%マスターできたなと思ったら、次のステップに進んでいいと思います。
単語耳 | 正しく発音できる単語を増やす【発音矯正】
単語耳は英語耳の姉妹書のような位置づけで、英語耳の延長といった感じです。
- 正しい発音で基本英単語1000個マスター
他にもいろいろ学びますが、大事なのはこれだけです。
英語耳をやった人にとっては、あまり目新しいものはなく、ただ英語耳で学んだ発音を、基本英単語1000個を使ってさらに定着させようという本ですね。
単語耳から始めた人でも分かるように、発音記号の解説もあるので、英語耳では完全に理解できなかった人でも、違った角度の解説を読んで「なるほど、こういうことだったのか!」と、より深く理解することもできます。
この辺は英語耳との相乗効果があると思います。
英語耳の観点から、英会話やリスニングの学習法についても100ページぐらい使って解説しており、これも「今後どうやって勉強していったら良いのか」という部分で結構参考になります。
- 付属のCDを聞きながら、正確な発音を意識して実際に発音する
- これを何度も何度もくり返す
- 1日1時間~2時間、1ヶ月ぐらい毎日やる
英語耳だけでも、正しい発音の勉強としては十分ですが、単語耳をやると、正しい発音がしっかり自分のものとして定着しやすいと思うので、時間が許すのであれば、ぜひやった方がいいです。
発音は、頭で理解するだけでは絶対ダメで、実際に発音して、脳や耳に染みこませる必要があります。
職人技みたいなもので、何回も何回も同じことをくり返してやっと習得できるものです。
英語耳でもこんなことが書いてあります。
結局、語学の学習の秘訣は「壮大な慣れ」です。慣れさえすれば、誰でも習得できるのです。従来のような「お勉強」ではなく、自分の口を動かす「体育会系」の「練習」が使える英語を習得するためのカギです。
英語耳 ~発音ができるとリスニングができる(松澤喜好 著)
英語耳と単語耳をマスターする頃には、発音記号を読めば、正しい発音ができるようになっているはずです。
そして、英語の正しい音がわかると、どんどん自分の発音がカッコよくなっていくので、発音を矯正するのが楽しくなってきます。
当時を思い起こすと、中学生で習うような簡単な単語でも、「これって本当はどういう発音なんだろう?」って興味が湧いてどんどん辞書で調べては、「あ、この発音って本当はこうなんだ!」と辞書で調べるたびに新しい発見があって、楽しかった記憶があります。
こんなふうにして私は、今までこんな感じだろうと適当に思い込んでいた発音を、正しい音にどんどん矯正していきました。
英語耳 vs フォニックス【人気の発音本の比較】
私が実際に勉強した方法は、ここまで書いてきたとおりですが、本を買って発音の勉強をしようと思った時、もう1冊有名な候補があります。
「フォニックス〈発音〉トレーニングBOOK」という本です。
私もずっと気になっていたので、図書館から借りて、じっくり見てみました。
私の結論はこうです。
理由を、英語耳と比較してまとめてみました。
まず、基本情報として、フォニックスをざっくり説明すると、「英語のスペルで発音を学ぶ」というものです。
スペルと発音との間には、かなり法則があって、実際フォニックスで学ぶとおり、スペルからある程度発音は推測できます。
- フォニックスはスペルから発音を学ぶ方法 ⇒ 発音記号がまったく学べない(本の中で発音記号は一切登場しない)
- 発音記号を勉強しないので、カタカナ読みが直らない
- 英語耳と単語耳をやれば、スペルから発音は自然と分かるようになる
- スペルだけで正しい発音を推測できないパターンも結構ある
私が思うフォニックスの致命的な欠点は、発音記号を学べないことです。
フォニックスの法則どおり、スペルから発音が導けないことも結構あるのも事実で、その場合、発音記号を知らないと正確な発音が分からないという事態になります。
単語耳で基本英単語1000語をマスターする頃には、ある程度経験則から自然と、スペルで発音を予想できるようになります。
たとえば、mull という英検1級レベルの単語があります。
この mull という単語はネットから適当に選んできただけで、私も知らなかった単語でした。
でも私はmull というスペルから、この単語の発音が [mˈʌl] という発音になることは、すぐに分かります。
英語耳や単語耳をやっていれば、フォニックスの力を借りなくても、このぐらい自然にできるようになるのです。
あとは、発音記号がないと、どうしてもカタカナ読みに頼ることになって発音矯正が難しい気がします。
フォニックスでも、ちゃんと発音を身につけた人は大勢いると思うので、一概に英語耳じゃなきゃダメということもないと思いますが、英語耳で発音を身につけた自分からすると、ちょっと疑問の残る学習法だなという印象がありますね。