English Journalを始めてみようか迷ってるんだけど、僕には難しすぎるかな?具体的にレベルや勉強法が知りたいなぁ。
私はヒアリングマラソンという通信講座を受講していて、その副教材でEnglish Journalを使っています。
レベルについては、具体的に使用語彙のデータを検証していますので、かなり具体的にお伝えできると思います。
English Journalを買おうか迷っている人は必見ですよ!
もくじ
English Journalとは【1分で解説】
これを見ている人は、English Journalってこんな雑誌だよね、というのはだいたい分かっていると思います。
念のため、さっとおさらいしますね。
- 1971年創刊の英語学習雑誌のパイオニア
- 音源の7割が生の英語
- 政治、経済、社会、エンタメ、文化、コメディと何でもありのコンテンツ
- ロイター通信のリアルなニュース英語もあり
- 話者のアクセントも多彩で、まさにグローバル英語
- 読み物も柔らかいものが多く、息抜きにぴったり
- カジュアルな英語が多いので、明日から使えるフレーズが多い
- ボキャビル目的で買う人もいるぐらい、上級語彙も結構出てくる
- 内容理解、ディクテーションなど学習コンテンツも充実
- 全体的にCNN EEより、読者愛が伝わってくる(解説なども親切)
詳しくは、こちらの記事↓でCNN English Express と比較しながら説明していますので、まだ見ていない方は、よかったらご覧ください。
【データで検証】EJのレベル【難しい?】
では、本題にいきますよ。
English Journal に興味を持ったら、まず知りたいのがレベルですよね。
ボキャブラリーのレベルが一つの指標になると思いますので、実際に調べてみました!
結論としては、
実際にデータを見てみましょう。
調査方法は以下のとおりです。
- ある月の English Journal の総単語数(音声化されている、リスニング対象になっているもの)を算出
- TOEIC730点未満の人が分からないであろう、単語と熟語を1つ1つ数える(A)
- 総単語数と (A) の割合から、語彙カバー率を算出
少し補足させてください。
私の印象として各月の難易度は変わらないと感じるため、1ヶ月だけのデータで検証しています。
総単語数は一定の単位をもとに、平均値を使っています。
たとえば、同じコーナーごとなど、1行あたりの単語数が同じと思われる一定の単位で、1行あたりの平均値を取って、総数を推定しています。
さすがにテキストを全部1語1語数えるのは諦めました。ご容赦ください。。
ピックアップした単語については、Weblio辞書で難易度をすべて確認済みです。
熟語については、Weblio辞書では、レベル表記がないものが非常に多いため、私の印象で、これはTOEIC730点以上でないと分からないだろう、又は迷うだろう、というものをカウントしています。
熟語の単語数は、”tense up” の場合は2語というように計算しました。
では、さっそく見てきましょう。
データ的には、TOEIC730点以上の単熟語が4.6%、730点未満の語彙が全体の95.4%を占めています。
語彙カバー率というのは、一種の学術用語で、読解の方で主に使われる「読み手が知っている語彙の割合」のことです。
一般的に語彙カバー率が95%以上ないと、読解において理解は難しいと言われています。
それを踏まえると、やはりTOEIC730点以上というのが一つのライン、ということになりそうです。
しかもこれは、リーディングでの話なので、リスニングにおいて95%の語彙カバー率だと、少々苦戦すると思われます。
ちなみに、4.6%のTOEIC730点以上の単熟語の内訳は、次のとおりです。
ご覧のとおり、ランク外のものも多く含まれています。
ランク外とは、TOEICの出題範囲外のもので、TOEICではランク外でも英検1級にランクされているものもあります。
たとえば、preclude という単語は、「排除する」といった意味ですが、Weblio辞書によると、TOEICではランク外ですが、英検1級ランクとなっています。
なので、ランク外は基本的に資格試験に出ないような、相当難しい単語と捉えておけばOKです。
この統計から、TOEIC900点以上の上級者にもおすすめできる、と言えます。
English Journalは生の英語が中心になるため、熟語に口語的な表現もかなり含まれており、上級者でも学ぶものが多いです。
私はヒアリングマラソンの副教材としてEnglish Journalを勉強していましたが、English Journalは「難しすぎず易しすぎず」という印象で、ちょうど良いトレーニングでした。
ちなみに、まだTOEICが730点に届いていないという人はダメなのか?というと、そうでもないと思っています。
個人的には、TOEICが650点程度あれば、がんばれる範囲だと思っています。
それぐらいのTOEICのスコアがあれば、リスニングの基礎的な力はあるはずで、あとは生の英語への慣れとボキャブラリーの問題でしかないと思うからです。
TOEICが650点程度の人がリスニングでもう1段上のレベルに上がるために、生の英語は私の経験からも、非常に効果的です。
ただし、多少の大変さは覚悟しておきましょう(汗)
生の英語は最初はすごく速くて大変に思うかもしれませんが、それはTOEIC800点ぐらいあっても一緒です。
生英語のテンポやリズム感、スピードは慣れるしかないと思っています。
こんな使い方がベスト【精聴と聞き流し】
English Journal にはどんな勉強法があるでしょうか?
私のオススメする使い方を紹介したいと思います。
精聴【ディクテーションも】
英語の中上級者ほど、精聴トレーニングはリスニングに効きます。
私がリスニング学習において、ブレイクスルーのきっかけになった本には、こう書いてあります。
日米で活躍しているプロの通訳者が書いた、今でも人気の本です。
「だいたいできる」という勉強法では、あるところで伸びが止まるということです。・・・ブレイクスルーするためには、・・・正確さを追求することで、できない部分をはっきりと認識し、それを克服し、一段上のレベルの英語力をつける
究極の英語学習法 K/Hシステム 入門編(国井信一、橋本敬子著)
私もそうでしたが、最初はリスニングは隅々まで聞き取ることが難しいので、聞き取れた単語のパーツを組み合わせて、全体を推測する聞き方をします。
これ自体は、誰もが通る道なのでOKです。
しかし、TOEIC700点ぐらいを越えてくると、1字1句聞き取ろうと思えば、聞き取れる実力がすでにあるのに、推測聞きに慣れきってしまい、細部を聞き取ろうとしなくなるのです。
そうなると、聞き取れる部分だけで満足するので、リスニングの伸びがそこで止まってしまうのです。
そこで、English Journal ではディクテーションコーナーが設けられています。
付属CDの音源のすべてを1字1句聞き取ろうとすると、相当時間がかかってしまいますし、モチベーションも続きにくいです。
精聴は取り組めば取り組んだ分だけ、力がつきますので、できるだけやってほしいですが、最低限、このディクテーションコーナーだけはやりましょう。
生の英語での精聴(特にディクテーション)は、かなりリスニング力がつきます。
これを積み重ねていった先に、映画やニュースなど、ネイティブの自然な会話が聞き取れるようになります。
これは、TOEICなどのナレーションされた英語の精聴では、得られない効果です。
私も海外にいた時に、日常生活意外にも、生の英語を使ってかなり勉強しました。
具体的には、ellloというサイト(生の英語を用いた英語学習サイト)の音源を、毎日ディクテーションするという勉強をして、リスニング力が一気に伸びました。
生の英語での精聴は、音源自体がリアルな会話で楽しいので、何度聞いても飽きないのでオススメです。
もし、TOEICのリスニングパートのディクテーションをやれと言われたら・・・すぐ嫌になって挫折しますね、私なら(笑)
精聴に勉強時間を割きすぎて、時間も心も消耗するのはもったいないので、やりすぎには注意してくださいね。
リスニング力をつけるには精聴と多聴のバランスが大事です。
東進ハイスクールの人気英語講師で、多くの本の著者でもある、安河内哲也氏も、雑誌の対談で、バランスが大事だと話しています。
リスニング力を効果的につけるのにいちばん大事なのは、精聴で基本的な音の聞き取りをじっくり固めて、多聴でそれを実践すること。
リスニングは精聴&多聴のセットで鍛えろ!-東洋経済online
私もこの意見に完全に同意です。
経験上、精聴にだけ偏ると、細部が気になって全体を聞き取るのが下手になってきます。
初心者の頃のように、全体を推測しつつ、細部にも注意を払いながら、リスニングの勉強を進めるのがベストなのです。
聞き流しも効果あり!【多聴】
リスニングの聞き流しについては、賛否両論があると思います。
私も基本的には否定的でしたが、この本を読んでから、考えが少し変わりました。
アメリカのピッツバーグ大学教授で、SLA(第二言語習得論)を研究している、白井恭弘氏の本です。
そこにはこんなことが書いてあります。
日本人が英語ができない理由の最後は、学習法です。SLA の理論から見ると英語のインプットが圧倒的に不足しています 。・・・(別の章へ)・・・また、聞き流しも有効です・・・英語音声を流しておく。何度も流しているうちに見られる情報が増えていきます。
英語はもっと科学的に学習しよう(白井恭弘 著)
私はそれまで、聞き流しは、超上級者と超初心者にのみ効果がある勉強法だと思っていました。
- 超上級者 → 聞き流しでも聞き取れるので、多聴になる
- 超初心者 → 英語特有のリズム感やイントネーションに慣れるという意味で、効果がある
ただ、よく考えてみると、一度しっかり精聴し、理解した音源ならば、聞き流しでもある程度内容は理解できるものです。
つまり、理解を伴うかどうか、という部分が大事なのです。
ただBGMとして流しているだけで、実はほとんど聞いていないのであれば、あまり意味はないと言えます。
まずある程度、精聴し、単語や文法、構文などを理解した上で、多聴するというのは理に適っています。
TOEIC700点ぐらいになってくれば、一度しっかり理解した素材であれば、聞き流していても、少し注意を向けるだけで、多少意味は頭に入ってきます。
全然ただのBGMになっているだけで、何も頭に入ってこないようであれば、少し注意を向ける程度を上げてみるか、それでも頭に入らないようなら、効果はないので、止めてOKです。
この聞き流し(多聴)が効果があるとなると、日々のリスニング勉強がかなり楽になってきます。
通勤や、家事をしながら、運転中など、スキマ時間にどんどん聞き込むことができるのです。
私は会社の車で、一人で外回りで移動中に聞いていたこともあります(笑)
また、TOEICのリスニングパートのような音源は、繰り返し聞いてもつまらなくて苦痛でしかないですが、English Journalは違います。
内容自体が興味をそそるものばかりなので、何度聞いても飽きません。
どんどん頭の中にシャワーのようにインプットしましょう。
「あれ、この単語何だっけ?」「これ何て言ってるんだっけ?」
というのは、後で家に帰ってから本を開いてチェックすれば、明日また聞いた時には、頭に入るはずです。
【まとめ】TOEIC700点超の中上級者に最適
今回のポイントをおさらいします。
- English Journalの推奨レベルは、TOEIC730点~
- ただ、体感的には650点ぐらいあればやれる
- 初めての生の英語は誰でも大変なので、最初の大変さは覚悟する
- 生の英語を精聴すると、リスニングに効果大
- 音源自体が楽しいので、何度聞いても飽きないので、精聴向き
- 同じ理由(何度聞いても飽きない)で、多聴にも適している
- 一度きちんと理解した音源なら、聞き流しでも効果がある(理論的も証明済み)
冒頭で書いたように、私はヒアリングマラソンの副教材として、English Journalを勉強していました。
ヒアリングマラソンを受講すると、English Journalが毎月送られてきます。
English Journalの購読料は16,940円ですが、これがヒアリングマラソンの受講料に含まれているので、無料になります。
ヒアリングマラソンのテキストもEnglish Journalと同様に、実際の映画など生の英語が中心です。
ただ、誌面・カリキュラムがかなり精巧に作られている感があります。
生の英語だけでなく、ナレーションされた英語も適度に散りばめられていて、リスニング学習しやすくなっています。
SLA(第二言語習得論)でも、生の英語とナレーションされた英語の併用を勧めています。
あまり聞き取れない教材を聞いても効果は少ない。ですから、わりとはっきり発音されている、インプット理解のできる教材を選ぶことが大切です。ところが、これだけやっていては、いつまでたっても本物の英語がわかるようにはならない。ネイティブが日常会話で話す、早い、音のこもった英語はわかるようになりません。ですから、並行して、映画などの聞き取りも練習しなければなりません。
英語はもっと科学的に学習しよう(白井恭弘 著)
学習コンテンツも豊富で、あらゆる角度からリスニングを向上させようと、学習者に寄り添っている感じが、 English Journalよりさらに強いです。
English Journal はそれと比べると、旬なコンテンツを放り込んだごちゃまぜ、ある意味、雑誌感がかなり強いですね。
本気でリスニングを伸ばそうと思うなら、ヒアリングマラソンは候補に入れておくといいと思います。