リスニングができるようになる気がしない。TOEICも最初の写真のところ以外はいつもさっぱり。いつもだいたいの雰囲気で答えてる。そもそも、できる人はなんで聞き取れるの?
発音を勉強するとリスニングに効果があるってネットで見たことあるけど、いまいちピンと来ないんだよね。ネイティブみたいな発音は私には無理だし、発音なんか勉強してる暇ないよ。まずはTOEICの勉強しなきゃ。
リスニングが苦手というのは、日本人の英語学習者みんなの悩みです。
リスニングができるのは、決して帰国子女など特別な人だけではありません。
日本生まれ日本育ちの私も、英語耳をきっかけに、リスニングができるようになりました。
英語耳が気になって、これから手に取ろうとしているあなたは、とてもラッキーだと思います。
きっと数ヵ月後、あなたの発音は格段にきれいになり、リスニングにも違いが出てくるはずです。
これから紹介する「英語耳」という本は初版2004年から改訂版も含めてロングセラーで、英語学習者から絶大な支持を得ている本です。
英語耳が優れているのは、単に発音を学べるだけでなく、リスニングと発音の関係を見事に解説していることです。
私はTOEIC400点台の初心者だった頃、リスニングで心が折れかかっていました。
そのとき出会ったのが英語耳で、私の場合英語耳をきっかけに、その後1年半ほどかけてTOEIC705点まで一気にスコアを上ることができました。
ここでは、私が英語耳でどんな勉強をしたのか?リスニングでどんな効果があったのか、すべて実体験で書いていきます。
もくじ
なぜあなたは聞き取れないのか【発音とリスニングの関係】
理由は単純で、英語の音を理解していないからです。
そもそもカタカナ読みの英語は「英語ではない」、ということをしっかり認識しましょう。
なぜなら、日本語の音と英語の音は、たった1割しか共通していないからです。
英語には、ぜんぶで43個の音があります(数え方によって若干変わります)。日本語とほぼ同じと言っていい音は、そのうちの5~6個くらいです。つまり約9割の音は、日本人にはなじみがない音ということになります。日本人にとって、英語の聞き取りが難しいのはこのためです。
英語耳 ~発音ができるとリスニングができる(松澤喜好 著)
日本語読みで英語の音を理解していると、実際にリスニングはかなり難しいです。
証拠として、以下の動画の冒頭では、LとRの違いが聞き取れるかというクイズをやっていますので、ぜひやってみてください。所要時間は1分もかかりません。
※ちなみにこれは、プライムイングリッシュという英会話教材を監修している、サマー先生のYoutubeチャンネルです
どうでしたか?
結局、このような音が似ているけど、意味が全然違うというのが山ほど英語にはあるわけで、この英語の音が分からないと、リスニングなんて物理的に不可能なのです。
リスニングができる人の頭の中
リスニングができない人にとって、リスニングができる人の頭の中は一体どうなっているんだろうと思いますよね。
私もそうでした。
なぜリスニングができるのか、なぜ聞き取れるのか理屈が分からなかったのです。
リーディングは明確に文法というルールがあって、ルールに沿っていけば基本的に読めますよね。
でも、リスニングについてルールを教わったことはありますか?
あるとすれば、TOEICなど試験対策の「こう聞こえたら、こういう選択肢を疑え」的なテクニックぐらいしかないですよね。
私も何のルールも知らなかったので、リスニングはひたすら聞いて慣れるしかないものだと思っていました。
帰国子女や海外在住者は、毎日大量の英語に触れて、慣れているから英語ができるのだと思っていました。
しかし、そうではないことを英語耳が教えてくれました。
リスニングができるためには、慣れ以前に、もっと大事なルールがあります。
- 英語の音を正しく頭にインプットしている。
「ハート」と聞いて、痛いのhurtなのか、心のheartなのか、はたまたhatなのか、文脈に頼らずに100%理解できます(上のイラスト参照)。
これがリスニングができる人の本質であり、できない人との絶対的な違いです。
上記の音の違いが頭の中で正しく理解できていない人は、文脈にどうしても頼らざるを得ません。
リスニングをしながら、一方で文脈に照らして意味を取ろうをするので、特にナチュラルスピードの英語には頭の中の処理が追いつかないのです。
発音ができると、なぜリスニングができるのか?
リスニングができない理由は、おおむね以下のようなものです。
- 意味を知らない単語は、聞いても理解できない
- 読んで理解できない文章は、聞いても理解できない
- 発音がわからない単語は、聞き取れない
上の2つは当たり前で、最後の理由が先ほどまで書いていたことです。
発音が分かるとはどういうことでしょうか?
発音が分かるというのは、カタカナ読みでなく、英語の音を発音できることです。
「あ」ではなく「ɑ」だったり、「æ」の音を実際に発音できることです。
聞き取れるけど、発音できないというのは、英語圏に住んでいたなど、英語のシャワーを毎日長期間にわたって浴びたことによって、自然と身につくことがあります。
しかし、日本に住んでいる大半の人にとって、そんな環境はありえないので、しっかり発音記号で学び、実際に発音できることを目指すのが近道です。
英語耳では各発音記号について、口の形、息の出し方、舌の位置など、具体的に教えてくれます。
英語耳の勉強法と効果【私はこれだけでTOEIC100点UP】
冒頭に書いたとおり、私が英語耳を始めた当時の英語力は、TOEIC400点台でした。
当時のリスニングの勉強はというと、ひたすらTOEICのリスニングパートの問題を解くだけ。
このままではリスニングは伸びないと感じ、ネットでググりまくって、やっとたどり着いたのが英語耳でした。
効果はすぐに出ました。
それから、数ヶ月は他の参考書は一切やらず、英語耳だけやっていたら、次に受けたTOEICでは100点近く伸びました。
リスニングではそれまで、ぼんやりと聞こえていたものが、一気に1語1語が鮮明に単語として聞き取れるようになったので、自分でも大きな手ごたえがありました。
ここからはどんな勉強をしたのか具体的に、書いていきます。
英語耳の内容
英語耳は全体で180ページぐらいありますが、どこを中心にやったのかを紹介する前に、まず先に、本の全体像を見ておきます。
第1章 なぜ聞き取れないのか?
先ほど、私がここで書いたような内容です。
ただ、この理屈の部分を押さえておくのはとても重要です。
ここが分かると、どうして自分が聞き取れないのか?なぜ発音を勉強する必要があるのか?、という目的がはっきりするため、自然とモチベーションも高まります。
第2章 発音バイエル 子音編
第3章 発音バイエル 母音編
第4章 発音バイエル R編
個々の発音記号についての解説です。
第5章 発音バイエル 音声変化編
個々の発音の応用バージョンです。
たとえば、Check it out. 「チェックイットアウト」⇒「チェケラゥ」に変化することを学びます。
第6章 生の英語を使った学習法 ”Parrot’s Law”
第7章 英文読書のすすめ
英語耳の観点から、リスニング学習の進め方などが書いてあります。
英語耳の勉強の中心になるのは、もちろん第2~4章までの発音記号の部分で、私はここを徹底的にやりました。
英語耳の使い方【発音だけ徹底的にやった】
第1章の「なぜ聞き取れないのか」の部分はしっかり読みました。
リスニングができずに心が折れそうになっていた私には、一気に光が差し込んだ、そんな気がしました。
説明も非常に論理的で、今まで頭の中でもやもやしていたことがスッと腑に落ちましたね。
理屈が分かったら、あとはやるだけ。
第2~4章の発音記号の部分を徹底的にやり込みました。
各発音記号ごとに、音の出し方、口の作り方、舌の動かし方が丁寧にイラストとともに、解説されているので、付属CDの音声を聞いて真似しながらながら何度も練習しました。
どんどん自分の発音が英語っぽくなっていくし、これがマスターできる頃にはリスニングも伸びているはずだ!という確信もあったので、やっていて楽しかったですね。
付属CDは、男性の声と女性の声の同じものが2パターンが収録されていて、CDを1周すると各発音記号が2回ずつ練習できるようになっています。
毎日1~2時間はやっていたと思うので、毎日CDを2周ぐらいしていた感じです。
本当にこの頃は、英語耳を信じきっていて、まずは発音だ!といきり立っていたので、英語の勉強は英語耳しかしていなかったと思います。
TOEICもほぼ対策なしで受けたのですが、100点ぐらい上がっていました。
ここは飛ばしてOK【私はやってない】
第5章の音声変化のパートも、もちろん第2~4章と同じぐらいやったんですが、あまり身に付いた実感がなかったです。
やはり、順番って大事で、いきなり音声変化をやっても、それで困った経験もないし、実際に必要性とかイメージしずらいんですよね。
音声変化は、シャドーイングという勉強法(トレーニング)を知ると、一気に分かってきますので、最初のうちはあまり真剣にやらなくていいと思います。
また、第6章の ”Parrot’s Law” や、第7章の英文読書のすすめも、まだ初心者のうちは、よく分からない、イメージできないと思うので、一読しておけばそれでOKです。
Parrot’s Lawでは、歌を使った英語学習で付属CDに収録されているのですが、飛ばしてOKです。
私も少しやったんですが、効果がなさそうなので止めました。
今になって思うのですが、洋楽を聴いたり歌っても、リスニング力は上がらないですよ。
趣味を兼ねて息抜き程度でやる分にはいいですが、英語力への効果は期待しない方がいいです。
英語耳の評判【効果はどうか?】
ここまで書いてきたように、私にはかなり効果があった英語耳ですが、他の人はどうなのか?代表的な口コミをまとめてみましょう。
amazonでも圧倒的に高評価です。
英語耳を買って、発音を徹底的にやったおかげでTOEICのリスニングが一気に上がり、900点越えしました!
1ヶ月ほどコツコツ毎日勉強していたら、映画や洋楽で聞き取れる単語がかなり増えました。
リスニングで悩んでいたところ、先輩から本書を紹介され、長年の悩みがスッとなくなっていきました。もっと英語を始めたばかりの頃に出会いたかった。
しかし、中にはこんな意見も。
解説を読んでも、全然分からないし、発音できない。発音は慣れだと言うけど、単調で途中で飽きてしまった。
発音はネイティブのような完璧さ目指そうとすると、無理です。
ただ、そんなにこの本難しいかなぁ?というのが率直な私の意見です。
私が思うには、発音の仕方もCD音源も、かなり発音初心者を意識して、丁寧に解説、発音されています。
どうしても難しい場合は、私の解説記事を合わせて読んで、学習してみてください。
発音記号とアクセントを凝縮して解説しています↓
姉妹書「単語耳」との違い
英語耳を1~2ヵ月やった後、私はもっと発音をしっかりマスターしたいと思い、姉妹書の「単語耳」も買いました。
まず、ボリュームについて、英語耳が180ページ程度なのに対し、単語耳は280ページとかなり多いです。
- 【コンセプト】英語耳目線の単語集~正しい発音で覚えた単語は忘れない
- 【内容】1/3 ⇒ 英語学習の指針(英語耳目線)
- 【 〃 】2/3 ⇒ 各発音記号の学習(英語耳と同じ、ただし収録語数1000語)
前半100ページ程度にわたって、英語耳になるための学習法や、それが英会話のスピーキングやリスニングにどう関わってくるのか、いわば「英語学習の指針」が書かれています(↓)。
あなたが今後どんな勉強をすべきなのか、それをするとどうなるのか?ハッキリ示してくれます。
私はこの部分だけでも、お金を出して買ってもいいレベルだと思っていて、私がその後の英語学習に迷わず取り組めたのも、この指針のおかげと言ってもいいぐらいです。
そして後半180ページが、英語耳のような各発音記号の学習で、収録単語は1000語と、単語集みたいな感じになってます。
発音の解説は、英語耳とはまた違った切り口だったりするので、英語耳で完全に理解し切れなかった部分も、単語耳で補えるので、やはり両方やると相乗効果があります。
また、単語集としても、英語耳同様、1000個すべての単語に発音記号が載っているので、発音記号の読み方は自然と身につきます。
TOEIC対策にもおすすめ!リスニングで悩める人は全員、英語耳を試してほしい
最後に、今振り返ってみると、英語耳は私にとって最高の選択だったと確信しています。
控えめにいって、英語耳は私のリスニングの土台を作ってくれましたし、その後英語で仕事をするきっかけを与えてくれました。
むしろ、音(発音)を知らずにリスニングができると考える方が無理があります。
「リスニングはもう無理、諦めてる」
そんなあなたにとって、英語耳はきっと助けになるはずです。
語学の基本は音であり、音をまず最初に学ぶということは、いろんな本で言われていることです。
英語耳は10年以上にわたって売れ続けているロングセラー、発音本として日本で一番有名と言っても過言ではない存在ですので、ぜひ王道に乗っかりましょう。
発音本としては、フォニックスも英語耳と同様、ロングセラーで有名ですが、私は自分の実体験から断然、英語耳をおすすめします。
フォニックス本との比較は以下の記事で詳しく書いていますので、よかったらどうぞ。
また、一度英語耳で身につけた英語の音、発音はあなたにとって一生の財産になります。
私が海外に行ったときも、発音が悪くて現地の人に伝わらないということはほとんどなかったですし、発音の勉強はもうするつもりはありません。
英語の発音が良いのは、私の隠れた自慢の一つです。
発音やその先のリスニング力強化を考えている人は、ぜひ英語耳を使ってみてください!