英語を話すのが苦手で、瞬間英作文に興味があるんだけど、スピーキングに効果あるかな?
英語のスピーキングをどうにかしたい!と思っている人なら「瞬間英作文」という言葉、または本を一度は聞いたことがあると思います。
2006年に発売されて以来、いまだに売れ続けている大ベストセラーで50万部を突破、姉妹書も5冊以上出ている、英語学習本の中では、王様みたいな存在感があります。
この記事では、私がやっていた瞬間英作文トレーニングのやり方や、効果について主に書いていきますが、その前に私の当時の英語力などを書いておきたいと思います。
ちなみに私がやったのは「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング」という瞬間英作文シリーズの一番最初の本です。
私が瞬間英作文をやったのは、TOEICでは705点でした。
TOEIC705点を持っていたとはいえ、TOEICの勉強しかしていなくて、話すほうがもう全然ダメで、Be動詞の疑問文すらまともに言えないレベルでした。
具体的に言うと、順序を逆にして言うのができなかったのです。
「君のお母さん大丈夫?」を「Your mother is OK?」と言ってしまうし、
「会議は明日ですか?」と「We have the meeting tomorrow?」とそのまま肯定文で語尾を上げて言ってしまうのです。
とりあえず相手には通じますが、だいぶカタコト感はあったと思いますね。
そんな中、ちゃんと話せるようになりたいと思って、いろんなところで評判の良い瞬間英作文を始めたのでした。
結論的は、そこそこ英語を正しい順序なり、文法に沿って話すことができるようにはなるという効果はありました。
もくじ
瞬間英作文って何するの?
瞬間英作文とは、日本語を見て、パッと瞬間的に英語に直す(英作文する)トレーニングのことです。
英作文は従来であれば、受験の問題集で出てきた「これを英訳しなさい」的な問題を解くイメージでしたが、瞬間英作文はかんたんな中学レベルの英語を、瞬時に英語に直して口頭で話すというところに肝があります。
たとえば、「これは良い本です。」を聞いて瞬時に「This is a good book.」と言うトレーニングなのです。
しかし、「彼女はお母さんと同じぐらい美しくなりました」と聞いて、瞬時に英語にできますか?(答えは「She became as beautiful as her mother.」)
案外難しいですよね?
日常会話のほとんどは中学英語がベースなので、中学の教科書に出てきそうな例文の日本語を見て反射的に英語が言えるようになると、日常会話ではだいぶ楽になります。
それをひたすらトレーニングするのが瞬間英作文なのです。
私のやっていた瞬間英作文の使い方
では、私が実際にやっていた瞬間英作文のやり方を、これから紹介しようと思います。
ちなみに冒頭に書きましたが、私が瞬間英作文をやり始めたのは、すでにTOEIC705点を持っていたときです。
中学英語の文法はほぼ完全にマスターしていおり、少なくとも、読めばすべて理解できるレベルでした。
ただ、「読める、見れば分かる」というのと、「話せる、使える」というのはまったく違います。
テキストは使わない【音声だけ買う】
当時私は海外にいたため、本自体は買いませんでした(買ったとしても、それを日本から送ってもらわなければならない)。
その代わり、出版社ベレ出版の公式サイトから、音声を購入しダウンロードできるようになっていたので、私はこれを利用しました。
音声というのは、ひたすら日本語の後にポーズがあって、そのあとに英語が流れるという流れになっていました。
テキストがないので、リスニングで正解の英語を聞き取らなければいけないのと、お題の日本語自体が少し長くなると、途中で忘れてしまったりするのが難点です。
瞬間英作文はいまだ人気が衰えず、中古でも1000円以上するうえ、参考書を買ったところで、大して解説があるわけでもありません。
実際のテキストはこんな感じで(↓)、ただ単に左側に日本語、右側に英語が載っているだけの本なので、中学レベルの文法が理解できる人なら、音声だけでも十分だ思いますよ。
音声だけなら合計430円程度で済みます。
ベッドに寝転びながらやる
音声をゲットしたら、あとは、寝転がってイヤホンでも聞きながら瞬間英作文に取り組めばOKです。
私も実際、ベッドで寝転びながらやってました。
あと、実際に声に出すかどうかは、声出した方のに越したことはないですが、私は出さずに口パクまたはぼそぼそ声でやっていました。
事実、第二言語習得論という研究分野でも、脳科学的に、口パクでも効果があると言われています
電車の中など、実際に声を出すのが難しい場合もあります。その場合はどうすればいいか・・・1 実際に声を出す。2 ひそひそ話のように小さく声を出す。 3 声を出さずに口だけ動かす。 4 口も動かさずに頭の中で言う。1~4の順で効果は下がりますが、4でも十分効果はあります。・・・実際に声に出さなくても、脳の中で起こる活動は声に出すときに非常に近いものが得られます。
英語はもっと科学的に学習しよう(白井恭弘 著)
瞬間英作文の一番核となる部分は、日本語を英語に変換するスピードを上げるということです。
よって、頭の中でサッと英語に直せたのなら、あとは口に出すかどうかはオマケみたいなものだと思っています。
ちなみにスタディサプリなどでお馴染みの関正生先生も、シャドーイングは口パクしかやったことないそうです。
音声の流れに乗る
瞬間英作文で大事なのは、スピードです。
音声では日本語のあとのポーズは約4秒で、その4秒の間にサクッと英語に変換して口に出さなければなりません。
先ほど書いたように、日本語が少し長いと聞いている間に、そのお題の日本語を忘れそうになります。
なので4秒といっても、私の印象では、お題の日本語をしっかり頭に落としこむ工程で約2~3秒かかるため、英語に直すための時間は1秒ぐらいなので、結構大変です。
はじめのうちは、音声の流れにうまく乗れず、遅れてしまうことが多いと思いますが、気にせず、どんどん先に進んでもいいと思います。
また、しっかりやりたいという人は、再生の一時停止をうまく使いながらやってもいいと思いますが、最初はかなり大変だと思うので、あまり一生懸命やりすぎないことをおすすめします。
あまり真剣にやりすぎると、途中で疲れて嫌になってしまいますので。
とにかくくり返す【反射】
最初は音声の流れに乗れなくて、ポーズの4秒の間に言えなくて、先に英語が流れてしまうことが多いと思いますが、最初は誰もが遅れずスムーズに言えるなんて無理だと思うので、ガッカリしないでくださいね。
先に英語が流れてしまっても、「あ、そうそう、それそれ!」みたいな感じで、CDは止めずに流してやる方がいいように思います。
ただ、文法的に分からないものが出てきたり、答えの英語が聞き取れない場合は、しっかり音声を止めて、もう一度聞き直すなりするといいです。
音声は合計で約2時間20分と結構長いので、CDは止めない代わりに、何周もくり返してやるようにしましょう。
何周かするうちに、今までポーズの時間内に言えなかったものが、どんどん言えるようになってくるはずです。
私の場合3周ぐらいでかなり上達して、8割ぐらいは遅れずに英語を言えるようになってきました。(個人差はあると思います)
飽きてきたら止めてOK
瞬間英作文は例文自体がとても退屈なものが多く、文法も中学レベルなので、基本的に飽きやすいです。
ただ、簡単すぎるものでさえ、とっさに出てこないという課題を解決するためのメソッドなので、そこは我慢しましょう。
人によって違うと思いますが、私の場合3周ぐらいすると、だいぶササっと英語を作ることができるようになってきました。
例文を覚えてしまったというのもあります。
ただ、覚えてしまってトレーニングにならない!と思うのは間違っていると思います。
たとえ暗記してしまったとしても、そのフレーズ自体はあなたの記憶の中に定着していることになるので、外国人と実際に話すときは普通に口をついて出てくるフレーズになっているということです。
だいたい少し例文を覚えてしまったりして、英語を作るのがかんたんになって飽きてきたら、もう止めていいタイミングだとと思います。
私も3回ぐらいで、もうそこそこできるようになって退屈になってきたので、止めました。
効果はあるが、これだけでは不十分
瞬間英作文はamazonのレビューなどを見ても、わりと絶賛されている勉強法で、私自身もやっていた経験から、英語を話せるようになる一定の効果については異論はありません。
瞬間英作文のゴールは、私が思うに、「中学レベルの文法を使って自由自在に話せること」だと思っています。
そして、日常会話のほとんどは中学レベルの文法で成り立っているというのも事実です。
ただ誤解してはいけないのが、「文法を使って話せるからといって、日常会話に困らないということではない」ということ。
たしかに文法を使って話すことに困らなくなると、自分の言いたいことを英語で表現することが上手になりますが、英会話というのは、文法上は分かりきっているけど、出てこないフレーズも多い(むしろほとんど)のです。
たとえば、私が海外にいたころ、お店で「レシートをください」というフレーズさえも、調べないと言えませんでした。
いろんな言い方がありますが、私の場合「Can I get the receipt?」と言うことが多いですが、全然知らないと、「I want ~」かな?とか「I need ~」かな?とか、「May I ~」の方がいいかなとか、混乱するわけです。
結論的にはどれを言っても、レシートはもらえると思いますが、文法を使えるだけでは言えない表現が、英会話には山ほどあるというのも事実なんですね。
当時、私は瞬間英作文を3回転ぐらいやって、それなりにスパっと言えるようにはなりましたが、一歩外に出ると、「あーあれ何て言えばいいんだろう?」みたいなのはしょっちゅうでした。
瞬間英作文をやれば英語がペラペラに話せる、なんてのは幻想ですよ。
英会話初心者の人におすすめです
瞬間英作文をマスターすることで、日常会話の基礎である、中学英語の英文法を自由自在に操れるようになります。
英会話の初心者の人にはぜひ、中学英語の復習も兼ねて取り組んでもらえれば、英語が話せるという状態をかなり体感できると思います。
瞬間英作文は私がやった「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング」以外にも、続編で「スラスラ話すための瞬間英作文シャッフルトレーニング」、「ポンポン話すための瞬間英作文 パターン・プラクティス」など出ていますが、
私の経験では、最初の「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング」で十分だと思います。
これを3周程度するだけで、もう飽き飽きしてくると思いますし、続編で「おかわり!どんどん話すための瞬間英作文トレーニング」も出ていますが、正直お腹いっぱいで、おかわりなんて無理です。
誤解がないように言いますが、瞬間英作文はとてもよくできた英会話トレーニングだし、英文法を自由に使えるようになるという点では、非常に効果的です。
英文法は学校の授業みたいでアレルギーがある人が多いかもしれませんが、実際に日常会話では当たり前のように使います。
話すための英文法という意味で、初心者はまず英文法を机上の知識で終わらせないで、瞬間英作文を使って、実際に文法を使って話すということを経験した方がいいと思います。
ただ1点、とても退屈なトレーニングであることは間違いないので、自分なりに楽しくやる方法を見つけるといいですよ(私の場合はそれが、寝転んでやるというものでした)