単語と文法がひと段落したから、次はいよいよPart7の長文の勉強を始めようかな。長文対策って問題集をとにかく解きまくる感じでいいんだよね、、?
結論を先に書くと、基本的に答えはイエスです。
ただ、問題を解く以外にも音読をしたり、いくつか効果的な勉強法があるので、この記事の中で紹介していきます。
TOEICのPart7の長文読解は、2016年に新形式になってから問題数が増えて、今まで以上にスコアの鍵を握る存在になりました。
Part7まではそこそこうまくいっても、最後のPart7で時間が全然足りなくて、いわゆる塗り絵状態になってしまって、最後の最後で台無しになるというパターンもよく聞きます。
長文読解は、単語と文法という基礎ができているうえで読む、英語の総力戦みたいなものです。
私もTOEIC400点台の初心者からスタートして、長文問題にはずっと苦労してきました。
今880点まで来て、振り返ってみると、長文対策はとにかく日々、たくさんの英語に触れる(読む)というシンプルなことの積み重ねが重要だと思いますね。
ではここから、私が初心者から880点を取るまでの実際の体験をもとに、私なりのPart7 長文対策について解説していこうと思います。
もくじ
TOEIC Part7 の傾向【新形式移行後、スコアのカギを握る存在に】
これを読んでいるあなたは、これからTOEICの勉強を本格的に始めようとしているんだと思います。
まず、質問ですが、「もう単語と文法の勉強はしましたか?」
先ほど書いたように、長文読解は総力戦なので、単語と文法があやふやな状態でやっても時間ばかりかかって効率が悪いと思います。
TOEIC独学勉強法は以下で完全解説しているので、参考にしてください。
では本題です。
単語と文法の勉強がある程度終わったら、次はいよいよTOEICの本丸 Part7 長文読解ですね。
Part7は2016年にTOEICが新形式に移行して、問題数が増え、問題も難化しました。
そのため、それまでは順調にきたのにPart7で全然時間が足りずに、最後は塗り絵になってしまって撃沈、、というパターンが多くなっています。
ちなみに塗り絵とは、TOEIC業界用語?で「時間が足りなくて、試験終了間際に解けなかった問題を全部当てずっぽうで解答する」こと。
TOEICはマークシート式なので、解答欄にマークする(鉛筆で塗りつぶす)こととから、塗り絵と呼ばれます。(私も何度も経験してます、、)
つまりPart7対策が、スコアのカギを握っているということです。
初心者が最初に押さえておきたい長文読解の考え方
では、どんな対策が必要かというと、英語を沢山読んで慣れるしかないと思います。
英語は結局、文法や単語などが分かったらあとは、使って慣れていくという要素が強いんです。
私がリスニングを勉強したときに、影響を受けた参考書にも、このように書いてありました。
英語学習は「知的作業」であると同時に、何よりも「身につける」作業です。知的に理解したあとは、スポーツのようにくり返し練習し、「こつを体得する」ものです。
究極の英語学習法K/H System (入門編)
私も今になってすごく同感ですが、英語ってそんなに知的な勉強じゃないんですよね。
知的な部分は文法ぐらいで、あとは何度もやって慣れるという地道な作業です。
また、私が発音のすべてを学んだこの本でも、こんなふうに書いています。ぶっちゃけ名言すぎです。
結局、語学の学習の秘訣は「壮大な慣れ」です。
英語耳 ~発音ができるとリスニングができる(松澤喜好 著)
Part7 長文問題の対策と勉強法①【精読にこだわる】
長文読解も基本的な考え方は同じです。
できるだけ多くの英文に触れて、英語の構文や英語表現の型に慣れていく必要があります。
とはいえ、ただ適当に読んでいても読解力がつかないから難しいんですよね。
初心者の場合は特に、それは読んでいるのではなく、「読んだ気になっている」だけというパターンがあるからです。
ただ何となく意味が取れて、スラスラ読めると、読解力がついてきたような気分になります。
私もそういう時期が何度もあったので、わかります。
でもいざ、本試験になり、初見の模試を解いてみると、あれだけスラスラ読めていたのがウソみたいに、読むのが難しくてすごく時間がかかってしまうんですよね。
初心者の場合、大事なのは1文1文を迷わず正確に読めることです。
最初のうちは読むスピードはそこまで気にしなくても大丈夫。
速読よりも圧倒的に精読にこだわってください。
世界一わかりやすいシリーズで人気の英語講師 関正生先生も、精読がまずは大事だと言っています。(2:45~)
正確に読めるようになると、「あれ、これどういう意味だろう?」って考えたり迷ったりする時間が減るので、自然とスピードが出るようになります。
大学受験でお世話になった英語の先生も、こう言っていました。
読むのに時間がかかるのは、読むのが遅いんじゃなくて、迷ってる時間が多いんだよ。
これは今でも覚えている言葉ですが、核心をついていると思いますね。
初心者はいきなり早く読もうとしても、読んだ気になるだけで実際はよく分からないところを読み飛ばしたりして、正確に読めていないことが圧倒的に多いはずです。
まずは1文1文をきっちり読むことに徹すると、スピードとかその他のことは後から付いてきます。
Part7 長文問題の対策と勉強法②【何度もくり返して音読する】
それからやってほしいのが、音読です。
1文1文をしっかり読んで理解した英文を、何度も何度も音読するんです。
私もPart7の問題を解いたあとに、復習と思って音読していましたが、読解力に効果があります。
音読の効果って、英語だけに限らず国語とか、いろんなところで言われていますよね。
英語と音読の研究でも、明確に効果があることが分かっています。
音読を行うことで、3週間後には、英語学力の上位・中位・下位を問わず、大きく成績を伸ばしていることがわかります。これは、短時間の音読の繰り返し練習により英文が暗唱状態に近づき、その結果使える語彙や構文の内在化に成功し、コミュニケーション活動がうまく行えるようになることを示しています
シャドーイング・音読と英語コミュニケーションの科学(門田修平著)
- 左から右へ声に出して読む(返り読みをしない)
- これが主語でこれが動詞で、、と文の構造を理解しながら読む
- 読みながら、意味を思い浮かべる
音読の際の声の出し方は、大きな声でなくても、ぼそぼそ小声でつぶやく程度でも十分効果があります。
実際に声を出すのが難しい場合もあります。その場合はどうすればいいか・・・1 実際に声を出す。2 ひそひそ話のように小さく声を出す。 3 声を出さずに口だけ動かす。 4 口も動かさずに頭の中で言う。1~4の順で効果は下がりますが、4でも十分効果はあります。・・・実際に声に出さなくても、脳の中で起こる活動は声に出すときに非常に近いものが得られます。
英語はもっと科学的に学習しよう(白井恭弘 著)
4の頭の中で言うというのは、黙読のことですが、できれば声を出した方がいいですね。
黙読は口が回らないところや、面倒くさいところを飛ばして読んでしまうことがよくあるので、長文読解の勉強ではあまりおすすめしません。
って言っても、音読ってぶっちゃけ面倒くさいんですよね、、
家で誰もいない部屋で声に出して読むって、わりと苦痛ですが、小声で全然OKなので、ぜひやってみてください。
あとでちゃんと効果が実感できるはずです。
おすすめの問題集・参考書3選
Part7 長文問題の勉強法は以上に書いたとおりですが、ここからはそれを実践するための本を3冊紹介します。
基本的な考え方は、本番形式の問題をたくさん読むということです。
「英語は壮大な慣れで、英語を沢山読んで慣れるしかない」と書きましたが、読む対象はぶっちゃけ何でもいいんです。
英字新聞でも英語のネットニュースでもかまいません。
でも、初心者が効率的に目標スコアに到達することを考えると、TOEICの本番形式の問題集をやるのがベストだと思いますね。
TOEICの長文はレベル的にもやさしめなので、初心者でも時間をかければしっかり読めるようになっているので、読解の練習に最適です。
それに、読むだけでなくて、設問の問われ方とか1問を解くのにどれぐらい時間がかかるか、とか本番の予行練習もできますからね。
1駅1題 TOEIC L&R TEST 読解特急
私も初心者のころ使っていましたが、解説も詳しいので最初の1冊目としては、この本がベストですね。
デメリットは収録されている英文(問題数)が少ないことですが、初心者のうちは量より質なので、これで十分だと思います。
設問への対処の仕方や、本試験でのタイムマネジメントなども書いてあるので、これ1冊でまずは、TOEICの長文対策のイロハがわかるはずです。
新書サイズで扱いやすいですし、まずはこの1冊を何度も音読して、使い倒してみてください。
正直、この本と公式問題集だけでPart7対策は最低限できると思います。
大学入試 世界一わかりやすい 英文読解の特別講座
読解特急をやってみて、いまいち英文の読み方に自信が持てない、もう少し英文の読み方を勉強してみたい、という人はこの本をやってみてください。
先ほど書いたように、初心者のうちは量より質で、やみくもに沢山読むより、正確に1文1文読める方が大事です。
この本はTOEICに特化した本ではないのがデメリットですが、英文をしっかり丁寧に読むことを解説した本としては、かなり良いと思います。
この本の著者 関正生先生はスタディサプリTOEICで初めて教わって、それ以来ファンになりました。
とくに奇をてらったテクニックに頼らずに、王道的な本質をついた解説をするのが好きですね。
私の精読+音読というのも経験上、なんとなく分かっていたんですが、関先生も同じことを言っていたので、一気に確信に至りました。
英文をしっかり正確に読めるようになりたい人は、この本で勉強してみてもいいと思いますよ。
TOEIC(R)テスト 新形式精選模試 リーディング
評判の良いリーディングパートの模試本です。
初心者のうちは、いろいろ勉強することがあって時間がないと思います。
基本的には読解特急と公式問題集をくり返し精読+音読しているだけで、700点は狙える力はつくはずです。
何度も言いますが、初心者のうちは量より質です。
ただ、もし時間があって、もっと問題演習をしたいという人には、この本で勉強するのもいいと思いますね。
この本は本試験より難しめで作ってあるので、読むだけでも最初のうちは大変だと思います。
読解の高地トレーニングをしてみたい人は挑戦してみてください。
読解力は地道な勉強の積み重ねが大切です
英語は壮大な慣れだという話を書きましたが、これからあなたもリアルに実感することと思います。
リスニング力と読解力はその点では似ていて、基本的な作法を身につけた後は、毎日コツコツやって慣れるしかないんですよね。
英語の勉強は華やかなように見えて、とても地味です。
でも、その地味で地道な勉強を積み重ねた先に、600点とか700点が見えてきます。
私は400点台から始めて、705点を取るまでに1年半かかりましたが、毎日やっていたことは本当に地味な勉強です。
毎日仕事で忙しい中、勉強するのは大変だと思いますが、そのコツコツの積み重ねが大事なのでがんばってください!