CNN English Expressのレベル的に自分に合うかな?口コミも知りたい。
特にレベルについては、実際に使用されている語彙を1語1語調べてみました。
その結果をもとに、わりと信頼性の高い客観的なレベルをお伝えできると思います。
結論的には、完全に英検1級レベルです。
購読者のレベルや評判についても、後半で、実例を元に説明しようと思います。
もくじ
【1分で分かる】CNN English Expressとは
この記事をご覧のあなたは、きっとCNN English Expressについて、おおよそどんな雑誌かは知っていると思います。
本題に入る前に、実際どんな雑誌なのか、ざっと確認しておきましょう。
- 1987年創刊で、30年以上の歴史がある
- CNN は現在、全世界20億人が見る世界最大のニュースメディア
- CD音源全体の7割は、実際の放送音源を使用(調査済み)
- 精聴リスニングを推奨しており、リスニング解説が詳しい
- 同じ音源で、ゆっくり&倍速の音声スピードも収録(個人的には要らないと思う)
- ニュースらしく、社会・経済・文化等を幅広くカバー(内容は堅め)
- その反面、カジュアルな会話はあまり学べない
こんな感じの雑誌です。
【高難易度】TOEIC900点以上で英検1級を目指す人向け
語彙レベルのデータ検証結果
CNN English Expressは公式には、TOEIC何点以上という基準は出していません。
そこで、これから購入を検討する皆さんに向けて、難易度を客観的にデータで示してみようと思います。
先に結論を書きます。
- TOEIC900点以上保有者が、英検1級を目指す場合にピッタリ!
- 音声部分の全ての単語をチェックし、どのレベルの語彙がどのぐらいの割合を占めるのか調査
- TOEIC730点以上の単熟語が占める割合6.6%(730点未満の語彙が全体の93.4%)
- TOEIC950点以上 〃 6.0%(950点未満 〃 94.0%)
- 英検1級以上 〃 5.9%(英検1級未満 〃 94.1%)
- ※一般的に「未知語が5%以上あると、読んで内容を理解できない」と言われている
CNN EEは、English Journalと比較されることが多いですが、レベルでは両紙には明らかな差があることがデータで分かりました。
実際にデータを見てみましょう。
English Journalのレベルはこちらの記事↓にまとめています。
調査方法
調査方法は以下のとおりです。
- ある月の CNN English Express の総単語数(音声化されている、リスニング対象になっているもの)を算出
- TOEIC730点未満の人が分からないであろう、単語と熟語を1つ1つ数える(A)
- 総単語数と (A) の割合から、語彙カバー率を算出
補足です。
私の購読していた経験上、各月の難易度は変わらないと感じるため、1ヶ月だけのデータで検証しています。
総単語数は一定の単位をもとに、平均値を使っています。
たとえば、1行あたりの単語数が同じと思われる一定の単位で、1行あたりの平均値を取って、総数を推定しています。
さすがにテキストを全部1語1語数えるのは諦めました。ご容赦ください。。
ピックアップした単語については、Weblio辞書で難易度をすべて確認済みです。
熟語については、Weblio辞書では、レベル表記がないものが非常に多いため、私の印象で、これはTOEIC730点以上でないと分からないだろう、又は迷うだろう、というものをカウントしています。
熟語の単語数は、たとえば、”police oneself” の場合は2語というように計算しました。
では、さっそく見てきましょう。
検証結果のデータ詳細
データ的には、TOEIC730点以上の単熟語が6.6%、730点未満の語彙が全体の93.4%を占めています。
語彙カバー率というのは、一種の学術用語で、読解の方で主に使われる「読み手が知っている語彙の割合」のことです。
一般的に語彙カバー率が95%以上ないと、読解において理解は難しいと言われています。
語彙教育の権威である、ポール・ネイション博士・・・は、多読を通じて新しい語彙を身につけるには、未知語が全体の5%以下の本でなければいけない、と論じています。
英語多読法 ~やさしい本で始めれば使える英語は必ず身につく(古川昭夫著)
ここで言っているのは、未知語が5%以下ならそのまま読み進めても理解できるため、リーディングしながらボキャビルをすることができるが、反対に5%以上だと、読んでも意味が理解できないため、リーディング自体がそもそも成立しないということです。
つまり、こういうことです。
ちなみに、6.6%のTOEIC730点以上の単熟語の内訳は、次のとおりです。
熟語が多いというのは、生の英語を使ったこの手の雑誌にはよくあることですが、注目すべきは、TOEIC900点以上とランク外が多い(22.1%)ということです。
ランク外とは、TOEICの出題範囲外ということです。
ランク外が多い理由として、TOEICはビジネスシーンをカバーする試験ですので、たとえば社会・文化的な語彙は弱いということがあります。
逆にそういった語彙は出題範囲が広い英検1級では、普通に出てくる単語です。
(英検1級の試験内容)社会生活一般、芸術、文化、歴史、教育、科学、自然・環境、医療、テクノロジー、ビジネス、政治
日本英語検定協会
CNN EEの特徴として、TOEICではランク外だが、英検1級にランクされているものが非常に多いということです。
ここに、私がCNN EEは英検1級を目指す人に最適だと言う根拠があります。
英検1級レベルを基準に、語彙カバー率を見てみましょう。
語彙カバー率は94.1%で、英検準1級レベルでは、まだ95%には達しません。
同様に、TOEIC(730点ではなく)950点を基準にしてみましょう。
これでもまだ、語彙カバー率は94.0%で、95%には届きません。
※熟語については、口語的な表現も多く、資格試験を基準にしたレベル分けが難しいため、中級以上(TOEIC730点以上)でないと分からないと思われるものは全て算入しています。熟語を正確に算定できれば、語彙カバー率は95%ぐらいに落ち着くのではという気がします。
これらを総合すると、英検1級、TOEIC950点程度の超上級者にぴったり!という、ものすごく難易度の高い雑誌ということになります。
「では果たして、本当にそうなのか?」
という部分を次に、私の実感レベルで見ていきたいと思います。
【体験談】TOEIC800点ぐらいでも大丈夫です
個人的な感覚ではズバリ、TOEIC800点ぐらいあれば大丈夫だと思います。
私は初めてCNN EEに挑戦したのも、そのぐらいでしたが、何とかこなすことはできました。
そもそも、CNN EEをやるのは、ボキャビルが目的ではなく、知っているけど聞き取れない!というのを生の英語を聞いて慣れる、スキルアップするというのが目的なはずです。
言ってしまえば、難しい単語などは初めからスクリプトを見てからリスニングしたっていいわけです。
大事なのはそこ(単語)ではありません。
ただ知らない語彙が多いと、語注に書いてあるとはいえ、聞き慣れたり、気になる単語は自分でも辞書で調べてみたり、何かと手間と時間がかかりますよね。
初めて聞く単語が多くて、フラストレーションがたまる、といったことは覚悟しておきましょう。
私にはリスニング学習について、基本的なスタンスがあります。
私が海外にいた時の経験から、生の英語にはできるだけ早い段階で触れておくべきだというものです。
当時、私のTOEICのスコアは705点でしたが、現地での早い生の英語には、本当に苦労しました。
リアルな会話では、TOEICのナレーションのようにきれいに発音してくれませんし、なまりもありますし、スピードも桁違いに速いです。
当時の私にアドバイスできるなら、「早く生の英語をやれ!あとで大変な目に遭うぞ!」と言いたいです。
生の英語はTOEICなどの原稿を読み上げる英語にはない、スピード感や、感情を伴ったイントネーション、リズム感があり、それに慣れておくだけで全然対応が違ってきます。
当時の私は、TOEICの勉強に必死で、TOEIC公式問題集や参考書以外、まったく勉強していなかったのです。
ともかく、もしあなたがTOEICですでに800点程度のスコアがあるようなら、迷わず進んでOKです。
最初はすごく速くて、単語も難しくて、面食らうかもしれません。
しかし、それはTOEIC900点持っていても、最初は同じ目に遭いますので、他の人より先に苦労をしているだけだと思ってください。
こちらの記事↓には、TOEIC700点ぐらいの人向けにCNN EEの勉強法を紹介していますので、よかったら参考にしてください。
評判や口コミ【読者層は幅広い】
口コミから推測するに、購読者の英語力は上級者に限らず、幅広いレベルの人がいるようです。
口コミ・レビューの一部をここで紹介します。
毎月送られてくるCDを、何度も聴いているうちに、いつも間にかリスニングできるようになってきました。TOEICのリスニングパートのスコアも順調に伸びています。
毎月送られてくるCDを、何度も聴いているうちに、いつも間にかリスニングできるようになってきました。TOEICのリスニングパートのスコアも順調に伸びています。
毎月送られてくるCDを、何度も聴いているうちに、いつも間にかリスニングできるようになってきました。TOEICのリスニングパートのスコアも順調に伸びています。
ハリウッドの映画スターへのインタビュー、海外ニュース、流行語など、バラエティに富んだ内容で、楽しみながら勉強できています。
世界で起きている最新のニュースを聞きながら、英語の勉強もできるので、最高です。英語学習初心者から上級者まで、あらゆる人におすすめしたいです。
CDにはそのままのスピードの生の音源と、ゆっくりスピードの音声が入っているので、すごく使いやすいです。
定期購読をして半年になりますが、1日1時間ぐらい通勤中に聞き流してリスニングする程度しか勉強できていません。それでも、少しずつですが、リスニングできるようになってきた実感があります。
ニュースもアジアやヨーロッパ、アフリカまで、世界中のトピックを扱っているので、グローバルな社会情勢に、ますます詳しくなれそうです。
さまざまなインタビュー等、本人の生の声が聞けるので、その場にいるような臨場感があり、ワクワクしながら聞いています。
ナチュラルスピードはネイティブらしいものすごい速さですが、生音源以外の収録音源は、ややゆっくりめのスピードなので、幅広いレベルの人におすすめできます。
さすが世界のCNN!という感じで、世界中の最新ニュースが大迫力と臨場感たっぷりで、収録されています。アメリカ英語に慣れたい人にはぴったりです。
私の英語力はまだ初級~中級あたりですが、テキストにレベル分けされているので、無理なく、自分のペースで勉強できます。
英語のニュースを聞いても、何を言っているのかさっぱり分からず、悔しい思いをすることが多いので、購読を始めました。聞き取れなかった箇所を、スクリプトで確認し、それをまたCDで聞いて、音を耳に慣らしています。
扱う話題が、現実に世界でリアルタイムで起こっていることなので、通っている英会話でも話のネタに困りません。
まとめ:圧倒的に上級者向けで、買う人を選ぶ
今回の内容をざっくりまとめると、
- TOEIC900点以上保有者が、英検1級を目指す場合にピッタリ
- 全語彙中、英検1級以上の単熟語が占める割合5.9%
- ⇒ 英検1級を持っていても、苦戦するぐらいのレベルの高さ
- 実感値としては、TOEIC800点程度あれば、何とか心折れずにやれる
- 実際の読者のレベルは幅広い(初級~中級ぐらいの人もいる)
先ほど、口コミをみた限りでは、かなり幅広いレベルの人が、CNN EEの購読者であることが分かりましたが、出版社側の想定読者はどうやら違うのではと思っています。
CNN EEは雑誌の最後の方で、読者の声(お便り)のコーナーがあります。
ここに出てくる読者はたいてい英検1級保持者、またはCNN EEのおかげで1級取れました!という人が多いです。
少なくとも私が今、手元にある分を全部調べてみただけでも、全員英検1級保持者、又はTOEIC950点以上です。
この人も。
あ、この人も。
やっぱり、この人も。
こうしたコーナーは、読者の代表的な例を出して、
「うちの雑誌をやっていればこんな効果があるんですよ。」とか、
「私たちの雑誌は、こんなに評判なんですよ。」
と、編集者側が宣伝に使う場所です。
ここに英検1級とか、TOEIC950点といった読者ばかりが登場すること自体、僕たちはその意味を考えた方が良いです。
やはり、レベル的にはそのぐらい(英検1級 or TOEIC900)の人、またはそこを目指している人がターゲットだと言えるでしょう。
とはいえ、私にも先に書いたように、生の英語にはできるだけ早く触れた方がいいという持論があります。
多くのレビューが絶賛しているように、リスニング力を上げたい人には、CNNで話されている生の英語に触れることは、とても刺激的で、楽しく勉強できるでしょう。
TOEIC800点以上あって、CNNが好きな人、海外ニュースでリスニングの勉強がしたいという人にはおすすめだと思います。
TOEICのリスニングへの効果も、多くの口コミで証明済みです。
ただ、使用語彙や扱うトピックとの親和性で考えれば、圧倒的に英検1級対策向けですね。
また注意しなければいけないのは、CNNや海外ニュースに対して、興味が強い人でなければ、途中で飽きてしまうということです。
リスニング教材にとって、やる気やモチベーションは非常に大切です。
特に、ある程度上級者向けのリスニング全般に言えることですが、好きじゃなきゃ続きません。
「勉強のためだ、ここは修行だと思って頑張ろう」
というのもありだとは思いますが、聞き取れないし、つまんないしで、絶対に嫌になります。
買ったけど、ニュースばっかりで飽きてきた・・・というのは悲劇ですからね。
そうした点も踏まえて、検討してみるといいと思います。