CNN English Expressってどんな雑誌なんだろう?どうやって勉強するか、英検1級対策になるのかも知りたい。
英語でニュースを聞きたい!CNN を字幕なしで聞き取れるようになりたい!
そういう人は、特に社会人に多いのではないかと思います。
私もCNNのファンで、CNNをいつかスラスラ聞き取れるようになりたい!生でCNNを見たい!というのが一つの夢であり目標です。
私が海外にいた当時、現地のケーブルテレビでCNNを初めて見て、その魅力にとりつかれました。
英語のニュースって、CNNって、なんてカッコいいんだ!
映画を字幕なしで見たい!というのは結構ある話ですが、英語でニュースを見るというのも、英語学習者にとって、ある種の憧れだったりします。
映画なんかより、CNNやBBCを英語で見たい!私は完全にそういうタイプでした。
これをご覧のあなたも、もしかしたらそのタイプかもしれませんね。
この記事では、CNN English Express という月刊雑誌について紹介しますが、みなさんきっと「どんななんだろう?」と気になっていると思います。
1987年創刊という、英語学習者にはかなり歴史と実績のある雑誌です。
この記事では、できるだけ詳しく内容や特徴、どんな勉強がおすすめなのかをお伝えしたいと思います。
競合誌である、アルクのEnglish Journalとの比較についても説明します。
もくじ
CNN English Expressとは
CNN News とは【アメリカ発世界最大のニュース番組】
CNN (Cable News Networkの略) はアメリカのケーブルテレビ局で、24時間ニュースを世界中の最新ニュースを放送しています。
その歴史と規模について、Wikipediaの内容を一部引用します。
CNN was the first television channel to provide 24-hour news coverage,[3] and was the first all-news television channel in the United States.・・・As of August 2010, CNN is available in over 100 million U.S. households.・・・Globally, CNN programming airs through CNN International, which can be seen by viewers in over 212 countries and territories.
CNN – Wikipedia
あえて英語原文のまま、引用しました。
英語のままの方が、CNNの雰囲気が出て良いかなと(笑)
1980年に世界初の24時間ニュース専門チャンネルとして、時代を切り開いたパイオニアで、規模としては、全米で約1億世帯が視聴しています。
アメリカの世帯数が全体で1億2000万ですから、8割強の世帯で視聴されていることになります。
「24時間ニュースなんて誰が見るんだ?」と当初は馬鹿にされてのスタートだったようでしたが、今では全世界20億人が見る世界最大のニュースメディアになっています。
CNNと知っているという人も、こちらをぜひご覧ください。(YoutubeのCNNチャンネルの紹介ムービーです)
カッコいい・・・その一言に尽きます。
映像・サウンドを使った演出がすごく上手ですよね。
番組自体も、視聴者がぐいっと自然と引き込まれるような演出になっています。
私とCNNの出会い(ちょっと紹介)
冒頭に書いたように、私とCNNの出会いは、海外に住んでいた頃でした。
大家さんのお家に、ケーブルテレビが入っていて、家に遊びに行くと、テレビにいつもCNNがついていました。
当時私はリスニング力が低すぎて、何を言っているのかさっぱり分かりませんでした。
しかし、内容が分からなくても「カッコいい」「面白い」と思うようになり、気づくとファンになってしまったのです。
ネットで何とか無料のlive streamを探し出して、BGM代わりに流したり、帰国後もCNN English Expressをたまに買って勉強したりしていました。
内容と特徴【精聴リスニングに重点】
内容としては基本的に、CNNで実際に放送された音源を使って学習する、というものです。
世界で今起こっている最新の話題が、アメリカでどう報じられているかを知る、良い物差しになりますし、日本ではほとんど報じられていない、アジアやアフリカ等の最新事情も学ぶことができます。
データを取ってみたところ、CD音源全体の7割は、実際の放送音源で、事件・事故や速報の臨場感たっぷりの、生の英語です。
残りの2~3割は、CNN English Express用に作られた、スタジオでの原稿読み上げ形式の学習コンテンツになります。
アンカー(キャスター)達の多様な発音も、CNNならではです。
アメリカだけでなく、イギリス、オーストラリア、ノンネイティブの発音まで、幅広くカバーしています。
誌面においても、例えばこんな感じでキャスターの英語の特徴が、リスニングの参考情報として紹介されています。
CNN English Expressの特徴の一つに、精聴リスニング重視というものがあります。
この編集方針はここ近年ずっと変わっておらず、実際の誌面でも、精聴の具体的なリスニング学習の手順が書かれています。
公式webサイトにも精聴重視が大々的に書かれています。
先ほどのアンカーの発音の癖などを紹介しているのも、精聴に力を入れていることの証しです。
実際に、誌面ではリスニングの解説が非常に詳しいため、精聴学習を助けてくれます。
たとえば、こんな感じの解説が随所にあるのです、すごく詳しいですよね!
また、すべてではないですが、同じ音源に対して、以下の3種類の音声スピードがデフォルトでCDに入っています。
- ナチュラルスピード
- ゆっくりスピード
- 1.5倍速
これも読者が自分のレベルに合わせて、リスニングスピードを調整できるようにという工夫です。
個人的にこの配慮は便利なようで、邪魔だったりします。。
ゆっくりはそもそも読者の英語力を考えると不要ですし、倍速は自然なスピードじゃないので、あまり好きではないです、正直。。
ナチュラルが一番です!
他にも、日本語訳、単語・フレーズの注釈はもちろんのこと、各ニュースについては、CNN目線の深堀解説もついています。
日本語訳、単語・フレーズの注釈は、リスニングの勉強をする上で、かなり大事です。
これがないと、精聴の答え合わせも何もできないので、ただ呆然と聞き流すのと一緒になってしまいます。
辞書やネットで調べてもフレーズの意味が全然載っていなくて・・・というのは生のカジュアルな英語ではあるあるだからです。
これでは、口を動かす練習だけのシャドーイングになってしまいます。
【データが語る】英検1級対策に最適
使用語彙がハイレベル
音源で使用されている語彙を分析してみた結果、使用語彙はかなり高難度であることがわかりました。
Weblio辞書におけるレベル区分で、英検1級以上とランクされているものを数えた結果、語彙カバー率は94.1%※でした。
ちなみに、一般的に英文を読んで内容が理解できる目安であるは95%とされており、それを上回っています。
※熟語は口語表現も多く、レベルを一概に計れないため、中級以上(TOEIC730点以上)でないと分からないと思われるものは全て算入しています。そのため、正確には語彙カバー率は95%超ぐらいかと思います。
CNN EEのレベルについては、こちらの記事↓で詳しくまとめています。
英検1級の単語も頻出
私が受講していたヒアリングマラソンや、その副教材であるEnglish Journalと比べても、英検1級レベルの単語の使用頻度が顕著です。
具体的には、CNN EEは英検1級のボキャブラリーの使用頻度は他の2倍以上※です。
※英検1級ランクの語彙数 ÷ 総語彙数 で算出し、CNN EEは1.07%、English Journal は0.47%、ヒアリングマラソンは 0.40%だった。
社会・経済・文化等を幅広くカバー
扱うトピックも、CNN EEはニュースをメインの題材にしているため、英検1級の題材と親和性があります。
ヒアリングマラソンやEnglish Journal は映画やインタビューなどカジュアルな会話も多分に含んでいるため、フォーマルな英検とはやや毛色が違う部分があります。
おすすめの勉強法、使い方
精聴(余裕があればディクテーション)
CNN English Expressでは、先ほど実際の誌面を見たように、精聴トレーニングの手順が書いてあります。
基本的には、それに沿ってやればOKですが、一応私がいつもやっているやり方も、紹介しておきます。
- 最初は何も見ずに、1字1句逃さず聞き取るように注意して音声を聞く
- 聞き取れない箇所は、何度も聞き返したりする
- テキストを見て、答えあわせをする
- なぜ聞き取れなかったか、原因を考える(たとえば、単語を知らなかった、音の変化・スピードについていけなかった、等)
時間的・精神的な余裕があって、1の段階で、ある程度聞き取れる感じがあるならば、実際にディクテーションをしてみましょう。
実際に書き起こすと、聞き取れていたつもりの音が実は聞き取れていなかった等、自分の弱点を発見できます。
シャドーイング
精聴が終わったら、次はシャドーイングです。
シャドーイングのコツは、スクリプトを完全に理解してから行う、ということです。
単語やフレーズといった意味の理解はもちろん、英文解釈的な、文法上の理解も完全にしておきます。
ここは分詞構文だとか、あそこは仮定法だとか、ちゃんと理解することが重要です。
自分が口に出している内容をよく分かっていないのに、口だけペラペラと動かしていても、シャドーイングの効果は半減します。
しっかり、文の意味を頭の中で意識しながら、自分が話している気になって、口を動かすことが大事です。
CNNのアンカーは、イントネーション(話し方の抑揚)を、少し大げさめに付ける印象がありますが、それも含めて完コピするぐらいの気持ちでやりましょう。
生の英語のイントネーションに慣れていない最初のうちは、CNNのアンカーのように少し大げさにやるぐらいの方が良いです。
その方が、頭も体も生の英語の抑揚に早く適応して、慣れてきやすいです。
シャドーイングの効果的なやり方については、こちらの記事でも詳しく書いています。
【TOEIC700点ぐらいの人向け】効率的な勉強法
CNN EEは TOEICで言えば、900点以上の上級者が挑むのに適した雑誌です。
ただ、まだ発展途上で、まだそのレベルには達していない人でも、CNN EEはおすすめです。
海外で生の英語に苦戦した私の経験からも、リアルな英語には、早く触れた方がいいです。
どうしてもCNN で勉強がしたい!という人はぜひやったらいいと思います。
レベルより大事なのは、そのやる気、モチベーションです。
ただ、上級者がやっているのと同じ方法論でやっていては、時間がかかってしょうがないし、効率が悪いので、やり方を変えましょう。
「難しかったらタスクをやさしく」というのは学問的にも、正しいことです。
SLA(第二言語習得論)の専門家で、アメリカのピッツバーグ大学教授の白井恭弘氏も、著書でこう書いています。
応用言語学の世界でよく言われるのは、「教材が難しいときは、タスクをやさしくしろ」ということです。つまり、難しい英語の材料を全部理解する必要はなく、その中からわかる情報を取り出す、というタスク(作業)をすればいいわけです。
英語はもっと科学的に学習しよう(白井恭弘 著)
では、どうやるか。
以下に手順のサンプルを書いてみましたので、参考にしてください。
- 1,2回聞き取れるか聞いてみる
- あまり粘らずに、すぐスクリプトを見る
- 語注や解説を参考に、読んでまず理解する(リーディング)
- 音に合わせて、目で字を追いながら音読する
- 意味を頭で浮かべながら、リスニングする(スクリプトは見ないでやる)
- 口パクでシャドーイング(無理しない。付いていけなくてOK)
ポイントは、すぐスクリプトを見ること。
初見で聞き取ろうと思ってもまず無理だと思うので、すぐ諦めてOKです。
スクリプトを読んできちんと理解してから、それを音で確かめるという作業に重点を置きましょう。
シャドーイングも恐らく、発話スピードが速すぎて付いていけないと思うので、無理しなくて大丈夫です。
口パクで付いていけるところだけ付いていく、ぐらいの感じでいいです。
代わりに、リンキングや音の変化にリスニングの神経を集中させましょう。
これがリアルな英語に慣れる第一歩です。
ちなみに参考までに、口パクのシャドーイングについてですが、最近の研究で、シャドーイングは声に出さなくても効果があることが分かっています。
電車の中など、実際に声を出すのが難しい場合もあります。その場合はどうすればいいか・・・1 実際に声を出す。2 ひそひそ話のように小さく声を出す。 3 声を出さずに口だけ動かす。 4 口も動かさずに頭の中で言う。1~4の順で効果は下がりますが、4でも十分効果はあります。・・・実際に声に出さなくても、脳の中で起こる活動は声に出すときに非常に近いものが得られます。
英語はもっと科学的に学習しよう(白井恭弘 著)
English Journal との比較
なにか英語の雑誌を買って勉強しようと思ったとき、English Journalという雑誌も、CNN English Expressの競合誌として、検討対象になると思います。
正直言って、やはり英語学習者目線での誌面づくりは、English Expressに軍配が上がります。
CNN English Express 以上に、収録コンテンツが豊富ですし、扱うトピックがCNNほど堅くないので、基本的に気楽に楽しんで勉強できます。
English Journalの方が、インタビューコーナーをはじめとして、カジュアルな生の英語を録音したものが圧倒的に豊富です。
そのため、日常会話で使える自然な表現、ネイティブの普段の会話のリズム感・テンポなどが断然身につきやすいです。
私もそうでしたが、スピーキングのリズム感は、自然な普段の会話に多く触れないと得られません。
私も生の英語にどんどん触れる、聞くことで、スピーキングのテンポやイントネーションなどは格段に良くなりました。
ニュースだけ見ていても、やっぱりちょっと違うんですよね、同じ生の英語なのに。
私もCNNが海外ニュースへの興味のきっかけでしたし、あのサウンド・映像の演出はカッコいいと思います。
CNNは今でも私の憧れですし、いつか字幕なしでスラスラ聞けるようになったら、スカパーかひかりTVでいつでも見れるようになるんだ!と思っています。
多くの人が映画を字幕なしで見たい!と言うのと同じように、私の場合は、CNNでした。
いつか字幕なしでCNNが好きなだけ見れる、その日が来ることを楽しみに、今を勉強しているところがあります。
ただこんな私でさえ、学習雑誌で何か1冊買うとなれば、English Journalを選ぶと思います。
English Journalならニュース英語もあるし、有名人のインタビューもあるし、ドキュメンタリーも、映画のリスニングも、コメディーもあります。
「毎日やるのに飽きない、気楽に勉強できる、笑える」そんな英語が、今もこうして勉強の私にとっては、合っているのだと思います。
こちらの記事↓で、English JournalとCNN EEを分かりやすく比較して解説していますので、ご覧ください。
まとめ:英検1級を目指す人のための雑誌
ここまで見てきて、だいたいCNN English Express のイメージは掴めたかと思います。
基本的には上級者、しかも英検1級を目指す人に最適化された雑誌だと感じます。
同じ上級者でも英検1級を目指していない人や、まだ中級ぐらいのレベルの人は、English Journalや他の教材、勉強をした方が効果的です。
繰り返しになりますが、私もCNNファンです。
CNNを字幕なしで見たくて、リスニングの勉強を今も継続してやっているところがあります。
これをご覧のあなたもCNNファンでしたら、このCNN English Expressはとてもオススメです。
これぞCNN!という雰囲気がギシギシと伝わってきて、CNNファンなら、「おおーこれだー!」と歓喜することでしょう。
ただ、そこまでCNNに思い入れがないのであれば、素直にEnglish Journalを買った方が、長い目で見て楽しく勉強できるでしょう。
English Journalではニュースも、ドキュメンタリー的なものもありますので、ニュース英語を勉強したいという欲求も満たせると思います。
どちらにしても、生の英語ですので、興味のある人は、できるだけ早くチャレンジしてみてください。
English Journalのレベルや勉強法については、こちらの記事↓でわかりやすくまとめています。