リスニングはわりと聞き取れるんだけど、そこからあんまり伸びてる実感がないんだよね。。実際TOEICのリスニングもほとんど点数変わってないし。かと言って、もうTOEICの参考書は何度もやって、やり飽きたし、何か別の楽しみながら勉強できないかな。
TOEICのスコアで800点を越えてくると、それまでの英語力の伸びに比べて、スピードが遅くなります。
これが中級者の壁です。
勉強してるのに、全然リスニング力が伸びない時期ってありますよね。。
私も、海外に行って帰ってきてTOEICで875点を取ってから、仕事でも(基本メールの読み書きですが)毎日英語をメインに使っていましたし、家でもたまに暇を見つけてはリスニングの勉強をしていました。
なのに、リスニング力はほとんど上がっている気がしませんでした。
むしろ、下がってる?と思うこともあるぐらいでした。
ただ、この半年でリスニング力は結構上がっている気がするのです。
先日も映画を字幕で見ていたのですが、わりと聞き取れたんですよね。
「あれ、こんなに聞き取れたっけ?」って感じで。
私が半年間どんな勉強をしていたか、シェアしたいと思いますので、リスニングが伸び悩んでいるという中上級者の皆さんの参考になればと思います。
もくじ
中級者の壁とは
ある程度上級者になると、実力が上がるペースが落ちるのは間違いないです。
TOEICで800点ぐらいの人が多く経験すると言われていて、今までと同じように勉強しているのに、全然伸びてる感じがしない。
伸びが実感できないので、いろいろ勉強法にも悩んだりするのがこの時期で、これを中級者の壁と呼ぶことが多いです。
ただ、中級者の壁を前に伸び悩んでいる人の多くは、共通した特徴があって、あるきっかけでブレイクスルーできることが多いです。
大丈夫です、あなただけじゃないですから。
私もまさに中級者の壁にいて、リスニングにおいてなかなか伸びを実感できなかったのですが、ヒアリングマラソンを始めてから使ってみて、少しずつ変化を感じました。
この記事では、私のヒアリングマラソンの経験も含めて、中級者の壁を乗り越えるために必要なことをシェアしていきたいと思いますので、最後まで読んでいただければと思います。
そもそも一般論としても、たとえば100点満点のテストを30点→40点にするよりも、90点→100点にする方がはるかに難しいですよね。
瞬間英作文で有名な森沢洋介氏も、著書の中でこう書いています。
レベル5。学習・訓練により英語力を向上させてきた日本人はほとんどこのレベルに到達して伸び止まります。・・・このレベルの人は・・・TOEICは楽々と900を越え、試験時間もかなり余ります。・・・実際のところ、ほとんどの学習者にとって最終ゴールとしてもいい満足のいくレベルだと思います。
英語上達完全マップ(森沢洋介著)
著者自身も10年以上このレベル5にとどまっていると書いています。
私はまだこのレベルには達していないと思っていますが、大事なポイントは、ある程度まで上達すると伸び悩む(成長が止まる)ということです。
普通に考えれば、この山の頂点に近づけば近づくほど、伸びるスピードは遅くなることになりますよね。
私も含めて、多くの中上級者はこの頂点に向かうまでのある、”もう一つの山” の前で伸び悩んでいる気がします。
そこを越えると、森沢氏の言う、「レベル5」が見えてくるのだと思います。
中上級者にありがちな原因
私がずっと、リスニングの伸び悩みを前にぬくぬくとしていた頃を振り返ってみると、いくつかの特徴があります。
ある程度聞けることに満足して、勉強してない
リスニングしていた量が、まず全然足りていなかったと思います。
仕事で毎日メインで英語を使うと言っても、基本は海外とのメールのやり取りです。
毎日膨大な量のメールの読み書きをしていました。
ただ、電話をするということはごくたまにあるぐらいだったし、海外出張も年に4~5回程度、各1週間ぐらいなので、外資系企業などで、毎日英語でしゃべったりする環境とは違います。
要は、読み書きばかりで、英語を聞くという時間が圧倒的に足りていなかったのです。
家でリスニングの勉強をするようにしていましたが、せいぜい週に2時間程度、1日20分とかそんな程度でした。
やっぱりそれじゃあ、リスニングは伸びるわけないですよね。
生の英語ばかり聞いている
海外にいた頃から、生の英語の楽しさに目覚めて、もはや参考書を買って勉強することはしていませんでした。
ちなみに、私が当時メインで使っていたのは、ellloというサイトでした。
台本なしのネイティブの英語の会話が収録されいて、スクリプトも内容理解クイズ、フレーズ解説まであるサイトで、会話のトピックもとても面白くて、おすすめです。
ellloについては、こちらの記事で詳しく書いていますので、合わせて読んでみてください(↓)
やっぱり、TOEICもそうですけど、リスニング参考書に付いてくるようなCD音源って、スタジオできれいに収録された “角の取れた” 英語なんですよ。
生の英語のような荒っぽさや、感情がストレートに言葉に乗ってる感じが全然ないので、まったくつまらないわけです。
なので基本的に、ネットで面白そうな生の英語を、適当に探して聞いていまいた。
ちなみに当時はリスニング力を上げるんだ!というモチベーションも低かったので、ただなんとなく聞いて、意味を取って、スクリプトで答え合わせをして、という適当な勉強をしていました。
でも、ネットの音源を使ってちゃんと勉強するのであれば、ちゃんと勉強法を考えないと、やった気になるだけで時間が無駄になるので気をつけてください。
聞き流すことに慣れすぎ
聞き流すというと、少し誤解があるかもしれませんが、聞き流しと精聴の中間ぐらいな感じです。
しっかり集中してリスニングをするけど、1字1句聞き取るというより、全体としてどういう話をしているか、という意味を取ることを重視したリスニングです。
なので、聞き取れない箇所があっても、大して気にしないし、聞き取れた部分から全体を推測しながら聞くことになります。
これ自体はリスニングの勉強法として悪くはないのですが、あまりこればかりやっていると、細部を聞き取ることを放棄するクセがついてしまうのです。
これは、意外にやっかいなクセです。
実力的にはがんばれば聞き取れるものも、聞き流すようになってしまうので、当然リスニングは伸びるはずがありません。
伸び悩みを突破する勉強法【ヒアリングマラソンで実感】
ここまで、リスニング力が伸び悩む原因を、以前の私を例にして見てきました。
同じ悩みを持った人であれば、共感できることも多かったかと思います。
私は以前から気になっていたヒアリングマラソンを受講し、1年間続けてみました。
英語の勉強を何年もやってきたような人なら、だいたい聞いたことがあるだろう、あのヒアリングマラソンです。
実際効果あるのかな?私にできるかな?
始める前は、いろいろ迷いましたが、結果的にリスニング力は以前より確実に上がっている実感があります。
これから書く話は、私のヒアリングマラソンを通して感じた効果をもとにしていますが、ヒアリングマラソンをしていなくても、ぜひ実践してみてほしいと思います。
ヒアリングマラソンを1年間使ってみた効果や感想は、以下の記事にまとめています(↓)
多聴と精聴をバランスよく取り入れる
それまでの私を振り返ると、
多聴と言うほど、多くは聞いていないが、方法論としては多聴をしていただけでした。
細部に注意を払って聞くというより、細部は聞き取れなくても、全体として意味が取れるようにリスニングするという方法です。
ヒアリングマラソンで特にやるのは、海外にいた当時私が一生懸命取り組んだディクテーションを中心とした精聴です。
ディクテーションのやり方や効果については、以下で詳しく書いています。
やはり、ディクテーションを筆頭に、精聴というのは、初心者だろうが中級者だろうがレベルに関係なく、リスニング力に効果抜群だということが、改めて分かりました。
精聴は、「よしやるぞ!」とちょっと気合を入れないとできないのですが、これをサボると一生リスニング力は上がらない気がします(少なくとも日本にいる限り)。
ちなみに、ディクテーションは、伝統的には紙と鉛筆を使って、聞き取れた内容を書き取るというもの。
私がディクテーションをしていた時は、パソコンに聞き取ったものを入力していたのですが、これだと確かにちょっと気合を入れないと、なかなか重い腰が上がりません。
念のため紹介しておきますが、今はアプリ(もしくはパソコン)で、簡単に手軽にディクテーションができます。
スタディサプリENGLISHというリクルートが出している100万ダウンロードを突破した、近年非常に人気のアプリです。
私も使っていますが、このディクテーション機能は手軽で使いやすい!操作性が美しすぎます。
ゲーム感覚の楽しさもあるので、この機能だけでも使う価値があるぐらいです。
一応、スタディサプリ英語の勉強法や効果については、こちらの記事に詳しくまとめています(↓)
話を戻しまして、多聴というのも大切な要素です。
精聴ばかりしていても、リスニング力は伸びません。
結局、人間の話すことなので、話し手によってイントネーションや発音のクセがあったりするので、いろんな英語を大量に聞くというのは、慣れるという意味で重要です。
TOEICだけなら、試験のナレーターのクセだけ掴んでおけば対処できるかもしれませんが、現実世界の英語は当然ながら、そうはいきません。
実際、ヒアリングマラソンをやっていても、最初は聞き取れなくて、「ああ、こういう発音の仕方もあるんだ、なるほど!」という発見があって、それがまた別の場面で同じような発音の仕方に出会って、スムーズに聞き取れたということが実際に何度もあります。
つまり、精聴も多聴も、どっちも大事で、片方だけではダメなのです。
生の英語だけじゃなくて、たまには収録英語も
以前の私のように、ある程度英語ができるようになると、生の英語もそこそこ聞き取れるようになります。
すると、ネットで生の英語を適当に見つけてきて、聞くという勉強ばかりして、参考書やTOEICのような収録された英語は聞かなくなります。
全然楽しくないし、つまらないからです。
とはいえ、生の英語と収録された英語は、上級者の階段を上がるためには両方必要だと感じています。
ヒアリングマラソンは以前統計を取ってみたところ、生の英語:収録英語=6:4でした。
なんとも絶妙なバランスですね(笑)
生の英語は音声変化が激しくなるため、リスニングの腕試しにはいいですが、そればかりやっていると、英語の音の基本を押さえる、という部分がおろそかになってしまいます。
イレギュラーな音声変化やアクセント、イントネーションに振り回されるからです。
その点、収録英語だとスピードも遅めなので、シャドーイングもしやすいですし、きれいに吹き込まれている音源なので、ディクテーションもしやすいです。
収録された英語で音の基本をしっかり押さえて、生の英語で応用にチャレンジし、その基本と応用を行き来するということが大事なのだと実感しています。
ブレイクスルーに必要なインプット量
最後に、ヒアリングマラソンを始めて、聞き流している時間も含めると、毎日2~3時間はリスニング学習に充てていました。
ヒアリングマラソンを買うと最初に届くコースガイドに書いてあったのですが、外国語をマスターしようとしたら、時間をかける必要が絶対的にあります。
一般的に「非ネイティブスピーカーとして十分なレベル」の外国語の運用力を身に付けるためには、最低2000時間、そのうちの1000時間以上は、音に接することが必要と言われています。・・・また、外国語を習得するためには、一定時間、ある程度の「量」をこなし、「圧力」をかけて習慣的に学習することが必要です。
ヒアリングマラソン-コースガイド
1000時間、英語の音に触れるということを目標として、ヒアリングマラソンはカリキュラムが組まれています。
1000時間というのは、1年で達成しようとすると1日3時間程度になります。
忙しい時間をぬって、1日3時間も英語のリスニングをするなんて、結構ハードル高いですよね。
ただ実際には、リラックスして聞き流す時間も入れてもOKだったり、1000時間を1年ではなく、3年で達成しても量、圧力としてはOKらしいです。
要は、リスニングのインプットを増やす習慣が大切ということです。
一つ注意しなければいけないのが、理論的には1000時間は3年以内に達成しないと、中級者の壁を越える学習効果は引き出せないということです。
ENGLISH JOURNAL や CNN EE など中級者以上の雑誌もありますが、長期的(1~3年)に飽きずに楽しんで続けられそうかという点で比べてみるといいですよ。