シャドーイングって本当に効果あるのかな?正しいやり方やおすすめの教材を教えてほしい。
私はTOEIC400点台だった初心者の頃、シャドーイングをやり続けて705点までスコアを伸ばしました。
シャドーイングは学術研究により科学的に効果が実証され、近年では英会話スクールでも積極的に取り入れるところが増えています。
私が読んだ本でもこのように強調しています。
科学的データにもとづいた、シャドーイングによる学習法は、ほとんど「王道」と言って差し支えないでしょう。
外国語を話せるようになるしくみ-シャドーイングが言語習得を促進するメカニズム(門田修平 著)
この学習方法を実践することで、実は誰にでも、英語、その他の外国語をすらすらと話せるようになりたいという夢は、実現できると考えます。
本の中では具体的な実証データをもとに、シャドーイングの効果・やり方などが解説されています。
私が当時やっていたシャドーイングも、この本に書かれているやり方とほぼ同じものでした。
ここでは、私の実体験と科学的な理論の両面から、
- シャドーイングの効果的なやり方&注意点
- シャドーイングする教材の選び方
について詳しく解説していきます!
これからシャドーイングを始める人には絶対参考になるはずですよ!
もくじ
【語学の王道】シャドーイングの効果 | TOEICが200点以上アップ!
シャドーイングは、聞こえた音声の後ろをシャドー(影)のように付いていき、全く同じことをオウム返しに発話するトレーニングです。
こんな感じ↓
なぜシャドーイングが効果的なのかについては、こう考えられています。
要は、私たちが生まれつき持っている、ことばを学習するシステム(言語獲得装置)に、シャドーイングが大変よく合致しているのではないかと考えられる
外国語を話せるようになるしくみ-シャドーイングが言語習得を促進するメカニズム(門田修平 著)
子ども(赤ちゃん)がママやパパの話を聞いて、真似することで話せるようになる、と同じということです。
シャドーイングは一度やってみると分かりますが、すごく脳が疲れますし、最初は脳が熱くなる感覚すらあります。
脳科学的に説明したのが以下です。
脳科学の研究によれば、学習内容は、脳にかかる負荷が高いほうが定着することがわかっています。
科学的に正しい英語勉強法(メンタリストDaigo 著)
つまり、筋トレと同じく、限界まで脳を使った方が学力は向上する、というのが現代の定説なのです。
これらを読んで、シャドーイングでなぜ自分はリスニングが伸びたのか、とても納得がいきましたね。
ここではシャドーイングで具体的にどんな効果があるのか、解説していきます!
発音が良くなる | 音声変化と英語特有のリズム感に慣れる
シャドーイングでは、聞こえた音声をそのまま完全にコピーしようとするため、発音が良くなります。
具体的には、以下の3つに効果があります。
- 単語の発音
- 単語と単語がつながったときの音声変化
- 文章で話されるときの強弱の付け方(ビート・ストレス)
音声変化とは、Thank you が「サンク・ユー」ではなく、「サンキュー」になるように、実際の音が単語の発音から変化することです。
Could you ~?が「クド・ユー」ではなく「クジュ」になるのも音声変化ですね。
ビートやストレスは、英語の拍(はく)のことで、強弱のリズム感みたいなもの。
英語で「鈴木さん」と言う場合、
- 英語:「す・ず・き・さ・ん」 ⇒「ず」に力を入れて全体を1拍で発音
- 日本語:「す・ず・き・さ・ん」⇒ 5拍(一定の強さ)で発音
私にシャドーイングとリスニングの作法を教えてくれた本から、ポイントを引用します。
英語の拍(ビート)の数は、日本語のそれよりもずっと少ない・・・英語は、拍の数が少なく、音が強くなる部分と、すーっと弱くなる部分から成り立っているのです。
究極の英語学習法K/H System (入門編) 国井信一/橋本敬子 著
英語特有の拍・リズム感に慣れていないと、同じ音でもまったく違う音に聞こえて、知っているはずの単語さえ聞き取れないことが起こります。
私がTOEICを勉強で、毎日シャドーイングをしていた当時のメモ書きがこれです↓
強く発音する拍の部分に山を書いたり、音がつながる箇所を結んだりしていました。
こうした細かい音への意識が、シャドーイングでは非常に大切です!
リスニング力が上がる | 英語の音感が身につく
音声変化や拍・リズム感を含めて英語の発音が良くなると、リスニング力が上がってきます。
英語をカタカナ発音でもなく、単語をつなげただけの発音でもなく、聞こえた通りの実際の音で聞き取れるようになるからです。
これはシャドーイングをしていて本当に実感しましたね。
シャドーイングとリスニングの関係を、もう少し理論的に説明します。
日本語を聞き取るとき、発音なんて気にせず、聞こえてきた内容がすらすらと頭に入りますよね。
シャドーイングで英語の正しい音が身につくと、日本語と同じように、意識が音ではなく意味に向かうようになります。
別の本ではこう説明しています。
シャドーイングをする目的は、ズバリ「音声知覚の自動化」です。・・・音声知覚に脳内のワーキングメモリのほとんどを使ってしまい、意味理解に残りわずかなメモリを使っている状態です。
英語学習2.0(岡田祥吾 著)
英語の音を知覚することに頭が必死で、意味を理解することに頭が使えていないのです。・・・日本語をリスニングしている状態を思い浮かべてください。
音声知覚に頭を使っている感覚はありませんよね?・・・これがリスニングをしているときの理想的な脳内の状態です。
シャドーイングに慣れてくると、スラスラと英語を話すスピードが当然上がってきます。
私も当時、自分のシャドーイングだけを聞けば、まさに「英語が超ペラペラな人」でした。
別の研究では、この発音速度とリスニング力が比例することが分かっているそうです。
シャドーイングトレーニングを積むと、当然のことですが、インプット音声を正しく復唱する能力がまず発達します。・・・そうすると、この復唱能力に引っ張られるかたちで学習者の発音速度が高速化します。
外国語を話せるようになるしくみ-シャドーイングが言語習得を促進するメカニズム(門田修平 著)
これまでの研究から、これら2つの前提となる能力がアップすることによって、リスニング力がつくことが明らかになっています。
スピーキングのテンポ・リズム感が身につく
英語の音を理解できるようになると、スピーキングにも効果が現れます。
後で解説していますが、シャドーイングがいくらペラペラになっても、英語を話せるようにはなりにくいです。
私も当時シャドーイングは大得意でしたが、実際の英会話は見違えるほどダメでした笑
しかし英語のリズム感が体に染みつくと、実際に話せるようになった時、いかにも英語っぽい抑揚のあるスピーキングができます。
これができるだけで、英語は全然通じやすくなります!
シャドーイングの正しいやり方・手順【音読と併用】
私なりのシャドーイングのポイントは、音読をうまく併用しながらやることです。
ここでは、『外国語を話せるようになるしくみ-シャドーイングが言語習得を促進するメカニズム(門田修平 著)』で紹介されている、効果的なシャドーイングのやり方・手順を解説していきます!
とは言っても特別なやり方ではなく、実際に私がやっているシャドーイングのやり方と手順とほぼ同じでした。
効果的かつ王道なやり方なので、ぜひ参考にしてくださいね!
何度かテキストなしでリスニング | 聞き取れない箇所の確認
最初は何も見ずに、リスニングテストをするつもりで3~4回聞いてみてください。
ここでやるべきことは、
- 聞き取れない箇所を特定する
- 知らない単語・表現はあるか
- 聞き取れたけど意味が分からなかった箇所はあるか
- 全体としてどんな内容(意味)だったか
を把握しておくことです。
リスニング力の実力試しみたいな作業ですね。
文の意味・構造・発音を理解する【大前提】
次はスクリプト(音源の原稿)をチェックし、自分がどの程度リスニングできていたか確認します。
大前提として読んで理解できないものは、聞いても理解できません。
まずは読んで理解できるように、
- 知らなった単語や熟語などをチェックする
- 関係詞や接続詞など英文の構造的にも理解する
- 知らない発音もここで調べておく(必要に応じて書き込む)
という作業をしておきます。
シャドーイングの大事な下準備で、ここが適当だとシャドーイングの効果が激減するので注意してくださいね!
とにかく音声に合わせてやってみる | 苦手箇所の把握
下準備が整ったら、まずはシャドーイングを実際にやってみましょう!
専門用語ではマンブリングと言います。
マンブリング・・・本格的にシャドーイングに入る前の下稽古(リハーサル)です。声に出すか出さないかの小声で、まずはやってみるという段階です。
外国語を話せるようになるしくみ-シャドーイングが言語習得を促進するメカニズム(門田修平 著)
いきなりシャドーイングをするのは抵抗がある、難しいという場合に実施します。
最初からうまくできる人はいませんし、私は今でも最初の1回目のシャドーイングは、口が回らないことが多々あります。
ここで大切なのは、できる箇所とできない箇所を選別することです。
回数的には2~3回やれば十分だと思います。
テキストを見ながらシャドーイング | 音声変化・抑揚も忠実に
次はテキストを見ながらシャドーイングをしてみましょう!
これは専門用語でパラレルリーディングと言います。
パラレルリーディング・・・テキストを目で追いながら同時に行うシャドーイングです。
外国語を話せるようになるしくみ-シャドーイングが言語習得を促進するメカニズム(門田修平 著)
音声を聞きながら音読すると言っても差し支えないでしょう。・・・リスニングやマンブリングで発音の聞き取れなかった箇所を中心にテキストを参照しつつ行います。
ここまでで自分の口が回らない箇所が分かっているはずなので、そこを重点的に、かつそれ以外も正確にシャドーイングします。
音読に近くて、わりと簡単ですが、発音が自己流にならないようにだけ気をつけてください!
回数は3~4回が目安かなと思います。
音源通りの発音を目指して何度もシャドーイング
シャドーイングの本当の本番はここからです。
専門用語ではプロソディシャドーイングと言います。
プロソディシャドーイング・・・英語の発音に注意を向け、それをできるだけそのまま模倣しながら復唱することが重要です。・・・可能な限り、苦もなくできるようになる(ほぼ自動化を達成する)まで練習する必要があります。
外国語を話せるようになるしくみ-シャドーイングが言語習得を促進するメカニズム(門田修平 著)
上記で解説した、音声変化と抑揚(ビート・拍)を正確に真似してシャドーイングしましょう!
慣れないうちは、音声変化する箇所や強く発音する箇所をテキストに書き込むのがおすすめです。
うまく口が回らない箇所は音読に戻ってから、再度シャドーイングに戻るとうまく発音できたりしますよ!
発音を8~9割ほど正確にシャドーイングできるようになったら、いよいよシャドーイングの最終段階に入ります。
シャドーイング⇔音読をくり返す | 意味を頭に浮かべて
シャドーイングの最終的な目標は、シャドーイングしながら意味が頭に入ってくることです。
専門用語でコンテンツシャドーイングと言います。
コンテンツシャドーイング・・・文の意味内容を楽しみながら、同時に口からすらすらと復唱した音声が出てくる状態になることが目標です。・・・コンテンツシャドーイングが修了したら、シャドーイング学習はいったんは完結します。
外国語を話せるようになるしくみ-シャドーイングが言語習得を促進するメカニズム(門田修平 著)
シャドーイングの目標は、
- 音声に遅れずに付いていける
- 発音を正確に真似できる
- シャドーイングしながら意味が頭に入ってくる
の3つが完全にできることですが、最後の③が一番大変です。
私がシャドーイングを学んだ本にもこう書いてあります。
「音さえ聞き取れれば、英語は聞き取れるはずだ」と考えている人が意外に多いようですが、実は「意味をつかむ」ことのほうが、ずっと難しいのです。
究極の英語学習法K/H System (入門編) 国井信一/橋本敬子 著
私も③に到達するまで結構長く苦労したので、これには100%同意です。
先ほど見たように、最初は音を捕まえることに脳が精一杯で、シャドーイングしていても意味は頭に入ってきません。
発音が正確にシャドーイングできるようになってくると、脳内のワーキングメモリに余裕ができてきます。
脳に余裕ができたスペースに意味の理解を入れるのです。
後で解説しますが、完璧にできるまでやることに意味があるので、すぐ次の教材に移らずに完コピを目指して頑張って下さい!
シャドーイングのおすすめ教材・アプリと選び方のポイント
シャドーイングする教材は、自分のレベルに合ったものが大前提ですが、使いやすさも重要です。
ここでは、
- シャドーイングの教材の選び方
- レベル別のおすすめ教材・アプリ
を解説していきます!
選び方のコツ | 1曲あたり再生時間が短いものが良い
最大のコツは、再生時間が短い教材を選ぶことです。
シャドーイングは、口が回らない苦手な箇所を何度も巻き戻して練習するので、再生時間が短いと巻き戻しの手間が省けます。
30秒の音源なら、1曲リピート再生の設定にすれば、巻き戻しせずにシャドーイングし続けることができます!
5分の音源だと毎回5分、全部シャドーイングしていたら効率が悪いので、適宜巻き戻す必要がありますよね。
これが結構面倒なのです。
AB間リピート機能を使えば楽なんですが、苦手箇所は何か所もあるので、いちいち設定するもの面倒ですよ。
TOEIC700点未満 | 学習者向けの英語を使う
再生時間が短くて、TOEIC目的でシャドーイングを始めるなら、TOEIC用の公式問題集がベストです。
TOEIC公式問題集
Part1,2はそもそも短文のリスニングですし、Part3,4でも40秒程度でファイルが区切られています。
公式問題集は試験と同じナレーターなので、完璧に発音をシャドーイングできるようになれば、試験的にも有利です。
私が400点台から705点までやっていたシャドーイングが、主に公式問題集でした。
以下の記事では、TOEICのリスニング対策を徹底解説しているので参考にしてください。
単語帳(例文音声付)
例文音声が付いているTOEIC用の単語帳もシャドーイングには最適です。
単語帳で一番有名な金フレは例文ではなくフレーズ音声なので、短すぎてシャドーイングには向きません。
関連記事 TOEIC対策のおすすめ単語帳と単語の覚え方を完全解説!
英語リスニングのお医者さん
リスニング学習本として有名ですが、例文も短いものが多く、シャドーイングにもおすすめです。
この本は音声変化を丁寧に解説してくれている本で、単語の発音と合わせて勉強すると効果的です。
私も使っていましたが、音声変化をタイプ別にトレーニングできておすすめですよ!
関連記事 心からおすすめするリスニングに効く参考書【2冊厳選】
スタディサプリ英語
ドラマ仕立てのストーリーと、有名講師による解説動画で英会話を学べる有料アプリです。
- 日常英会話
- ビジネス英会話
- TOEIC対策
の3つのコースがあり、いずれも登場人物のセリフごとに再生・リピートができ、シャドーイングしやすいです。
ビジネス英会話コースとTOEIC対策コースでは、シャドーイング機能が専用に付いています。
シャドーイングだけでなく、基礎英文法から発音、ディクテーションを含めて英語を基礎から学びたい人には、コスパはかなり良いです。
レビュー記事 スタディサプリ英語 日常英会話コース
レビュー記事 スタディサプリ英語 ビジネス英語コース
レビュー記事 スタディサプリ英語 TOEIC対策コース
TOEIC700点以上 | リアルな英語に挑戦
TOEIC700点以上ある方は、英語学習者用に手加減された音源だけでなく、リアルな英語もシャドーイングしてみましょう!
攻略ABCニュース英語(NHK BS)
攻略ABCニュース英語はNHK BSで放送されている番組で、実際のアメリカのABCニュースを題材にしています。
放送は公式サイトでも視聴でき、BBCやCNNなど英語のニュースが好きな人は、絶対に気に入るはずです。
全体で5分の音源ですが、1分程度のニュース音源を
- 英語字幕付き
- 日本語字幕付き
- 字幕なし
- 英語字幕付き(もう1回)
の計4回、同じ音源がリピートされるので、シャドーイング学習にも最適です!
私もこの番組を使ってよくシャドーイングをしています。
Cake(無料アプリ)
洋画や海外ドラマなど、実際の映像を用いて学ぶ英会話学習アプリです。
ハリーポッターや人気海外ドラマ「フレンズ」など、ラインナップもめちゃくちゃ充実しています。
無料なのが信じられないぐらいのクオリティです!!
私はフレンズが以前から大好きで、以前アマゾンプライムで全部見たんですが、フレンズでシャドーイングできるなんて嬉しすぎます。
再生時間も短いし、セリフごとにリピート再生もできるのでシャドーイングには完璧です!
Voicetube(無料アプリ)
こちらも上記のCakeと同様、実際の映像を使ってリアルな英語を学ぶ学習アプリです。
Cakeは海外ドラマなどエンターテイメントが充実しているのに対し、Voicetubeはビジネス、IT、健康など様々なコンテンツで学べます。
5~10分の長い動画が多いですが、すべてパラグラフごとにリピート再生できるので、シャドーイングには問題ありません。
無料なので、Cakeと両方使って好きなコンテンツで勉強しましょう!
シャドーイングと音読を効果的にやるコツ・注意点
シャドーイングと音読はとてもシンプルな勉強法なので、音源を変えれば、上級者になってもいつまでも勉強ができます。
ここではシャドーイングのコツや注意点などを解説していきます!
私がシャドーイングで感じたことや体験談も書いていきますね。
声を出せない時は口パクでも一定の効果がある
シャドーイングのデメリットは、声を出す必要があるため、自宅など人目を気にする場所ではできないことです。
しかし、最近の研究では、実際に声を出さなくても
- ひそひそ話ぐらいの非常に小さい声
- 口パクまたは黙読
でも効果があることがわかっています。
1 実際に声を出す。
英語はもっと科学的に学習しよう-SLA(第二言語習得論)からみた効果的学習法とは(白井恭弘 著)
2 ひそひそ話のように小さく声を出す。
3 声を出さずに口だけ動かす。
4 口も動かさずに頭の中で言う。
1~4の順で効果は下がりますが、4でも十分効果はあります。・・・実際に声に出さなくても、脳の中で起こる活動は声に出すときに非常に近いものが得られます。
声を出すのが一番効果があるのは間違いないので、やむを得ない場合だけ口パクにする、などルールを決めておくといいでしょう。
私も自宅でやる時は必ず声を出しています!(家族に聞こえてちょっと恥ずかしいですが笑)
同じ教材をくり返しやる | 1音源100回以上
シャドーイングの基本は同じ教材を、ひたすら完璧を目指してくり返しやることです。
くりかえす回数はレベルにもよりますが、1音源につき最低100回が目安です。
私も当時、TOEIC公式問題集を1音源数百回はやった気がします。
音源のレベルや英語力にもよりますが、1つの音源について、100~150回程度シャドーイングするのがよいです。
英語学習2.0(岡田祥吾 著)
仮に、10回程度シャドーイングして次の音源に移っているようでは、ほとんど意味がないということです。
同じものを100回以上やるので、教材は自分が楽しいと思えるものを選ぶのも継続するコツです!
スピーキングに効果はない | シャドーイング≠アウトプット
前半で書いたように、シャドーイングがいくら上手になってもスピーキングは上達しにくいです。
シャドーイングでは、自分の言いたいことを英語表現としてまとめるプロセスがないので、英会話スキルとは別物なのです。
聞こえたことをそのまま、くり返してしゃべっているだけですからね。
私が英語をわりと自由に話せるようになったのは、
- 単身海外に行き、
- 実際に人と英語で話す機会が圧倒的に増えた
- さらに自宅でも毎日オンライン英会話をやっていた
つまり、実際に言いたいことを英語で話すアウトプットを毎日積み重ねた結果だと思います。
私が海外に出たときはTOEIC705点で、シャドーイングも100万語以上はやっていましたが、全然話せませんでした。
英語を話せるようになりたいなら、オンライン英会話など実際に話す場を作りましょう!
注意点ですが、正しく使わないとオンライン英会話は効果が出ません。
オンライン英会話の効果と活用法は以下で解説しているので、興味のある方はどうぞ。
最初は誰でも口が回らない | 出来なくても諦めない
シャドーイングが最初からできるのは、母国語が英語の人たちだけです。
初めてやる音声は、私も最初はうまくできません。
シャドーイングの研究者も以下のように書いています。
インプット音声そのものを楽しみながら復唱に集中することが肝要です。
外国語を話せるようになるしくみ-シャドーイングが言語習得を促進するメカニズム(門田修平 著)
やがてシャドーイングが少しずつ楽になって音声を正確に追いかけられるようになると、余裕ができて自然に単語や文の意味内容も頭に入ってきます。
上記で解説した手順で音読を組み合わせたりしながらやれば、同じ音源を50回ぐらいやっていると徐々に上手くなってきます。
一方でどうしてもシャドーイングができない人もいるようです。
Yahoo知恵袋では、シャドーイングができない!という質問に対してこんな回答がありました↓
わたしは英語を使うのに苦労はしません(英語圏で、英語を使って仕事をし、生活しています)が、シャドーイングはけっしてできません。
Yahoo!知恵袋の質問回答より
大学生のときに英語圏に留学した先輩が上手に英語をしゃべるのでどのように勉強したのか聞いてみたら、シャドーイングをした、とのこと、さっそくまねをしてみたのですが、さっぱりできませんでした。
今でもできません。とにかくまったくできません。
100回やっても全くシャドーイングができない人は、上記のようなタイプなのかもしれません。
その場合、同じようにリスニング力を鍛えられるディクテーションを試してみることをお勧めします。
関連記事 ディクテーションのやり方と効果【体験談】
録音は不要 | 発音学習とディクテーションをやろう
自分がきちんと発音できているか、わざわざ録音して確認しなくて大丈夫です。
私は一切してませんでしたし、自分の感覚的にできているかできていないかは自分で分かるはず。
正しい発音を知っているという前提です。むしろ正しい発音を知らずにチェックなどできません。
関連記事 英語の発音に必要なことは全部、この本が教えてくれた
録音してチェックしている時間があれば、その分シャドーイングをやりましょう!
確認をしたいなら、ディクテーションすることをおすすめします。
ディクテーションは聞こえた音声を文字に書き起こす勉強法で、リスニング力向上に効果的だと言われています。
私も海外にいた当時、毎日やっていてめちゃくちゃ効果ありました!!
関連記事 ディクテーションのやり方と効果【体験談】
ディクテーションは文字にするので、
- 正確に聞き取れているかどうか一目瞭然でチェックできる
- 聞き取れていなかった箇所を中心にシャドーイングする
といった対策ができます。
シャドーイングとディクテーションはどっちが良いとかではなく、目的に合わせて使い分けましょう!
暗記不要 | やるならリピーティングをしよう
シャドーイングをする場合、特に教材を暗記する必要はありません。
私もシャドーイングで暗記したことはありません。
暗記するメリットは、音読の暗唱と同じですが、それをスピーキングやライティングで使えることです。
どうせなら暗記してスピーキングやライティング対策としても使いたいなら、リピーティングをしましょう!
リピーティングとは、音声を途中で止めて、止めたところまでで聞き取れたことを発話するトレーニングです。
注意点やポイントは以下のとおり。
リピーティング・・・大切なことは、十分なシャドーイングのトレーニングによって、発音(プロソディを含む)がほぼモデルどおりに再生できる状態から始めることです。
外国語を話せるようになるしくみ-シャドーイングが言語習得を促進するメカニズム(門田修平 著)
・・・リピーティングは英文を覚えるための学習法という趣旨を十分に理解して行うようにしましょう。そうすると、実際にテキストの暗誦につながるとともに、スピーキングに使える語彙、フォーミュラ(提携表現、構文など)を内在化して長期記憶に転送するのを促進してくれます。
リピーティングは音源をそのまま覚えてしまうので、確かにスピーキングなどで強力な学習法です。
デメリットは、かなり脳に負荷がかかる学習法で、しんどい(疲れる)ことです。
あまり楽しくもないので、スピーキングを伸ばすなら、オンライン英会話など実際に会話する方がいいと思います。
私自身もリピーティングは少しやったことがある程度で、大してやっていません。
歩きながら本人になりきってやると効果的
シャドーイングは、ジョギングや散歩など身体を動かしながらやると効果的です。
一般に外国語の学習、特に話し言葉の理解や算出のトレーニングをするときは、それだけに集中せず、身体を動かすなど何か別のことと一緒にやると効果的です。
外国語を話せるようになるしくみ-シャドーイングが言語習得を促進するメカニズム(門田修平 著)
私も座りっぱなしは健康に悪いという理由ですが、シャドーイングは部屋で適当に歩きながらやっています!
シャドーイングの最終段階では、意味を頭に浮かべるだけでなく、気持ちや動きも入れてやるようにしましょう!
音源の当人になりきって、表情やジェスチャーもしながらやるとさらに効果的です。
普通に音読トレーニングをするよりも、内容を自分が話しているかのような音読のトレーニングをするだけで、スピーキング能力の向上に確実に貢献することがわかります。
外国語を話せるようになるしくみ-シャドーイングが言語習得を促進するメカニズム(門田修平 著)
基本的につまらないシャドーイングも、なりきってやると少しだけ楽しくなりますよ笑!
シャドーイングだけでなく発音も学ぼう【音は語学の基本】
シャドーイングは科学的に証明された外国語学習の王道ですが、それを支えるのが正しい発音の知識です。
正しい発音を知らないと、
- 正確に真似できない(カタカナ発音から抜け出せない)
- 自分の発音が合っているか確認できない
- 間違った発音でシャドーイングしても効果が半減する
というマイナス面があります。
私がレベル的にTOEIC300点台ぐらいの頃、リスニングが全くできず悩んでいました。
その頃、英語耳という本に出会い、「だから自分はリスニングできないのか!」と衝撃を受けたのを今でも鮮明に覚えています。
本ではこう書かれていました。
発音できない音は聞き取れない。
英語耳 ~発音ができるとリスニングができる(松澤喜好 著)
関連記事 英語耳の使い方【リスニングに効果絶大】
シャドーイングは、英語の音を口に出すことで自分の脳内にインプットし、音と意味と結び付ける作業です。
だからこそ、正しい音を知っておく必要があります。
これからシャドーイングを始める方は、ぜひ発音学習を先に(または並行して)取り組むようにして下さいね!
皆さんがシャドーイングにより、多くの目的を達成できることを願っています!